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17言語に対応、使えば使うほど精度が増す翻訳クラウド「YarakuZen」

 八楽株式会社は2日、ビジネスパーソン向けの翻訳管理システム「YarakuZen」を発売した。これまで主に翻訳者が作業効率を上げるために使用していた翻訳管理システムを、シンプルで直感的なデザインとリーズナブルな価格、導入しやすいクラウド型ツールにすることで、一般のビジネスパーソンが日々利用できるツールとして設計・開発したという。

 YarakuZenは、機械+人間のハイブリッド翻訳を実現するシステム。クラウド型サービスとして提供され、アジア・欧米諸国の主要言語をほぼカバーする17言語に対応する。

 ユーザーが翻訳を開始すると、過去の翻訳履歴も踏まえた機械翻訳結果が表示され、それをユーザー自身が承認・修正。修正結果は翻訳メモリに自動的に保存・蓄積され、次回以降の機械翻訳に自動的に再利用されるため、使えば使うほど機械翻訳の精度が向上するのが特徴。

 翻訳メモリ「マイブック」は、個人単位ではなく会社単位で参照・共有できる仕組みになっており、社内のユーザーが保存・蓄積した内容を社内の他ユーザーが再利用できる。辞書機能も社内共有が可能なので、会社名・ブランド名・製品名・専門用語などをあらかじめ登録しておくことで、全員の機械翻訳の精度を向上できる。

翻訳編集画面。社内他ユーザーの参考文例や辞書データ等を参照可能

 100万以上の例文集と「ジーニアスMX」も標準搭載。翻訳修正の際の翻訳支援ツールとして、翻訳対象テキストに応じてサイドパネル上で例文集や辞書が自動的に提案される。完全一致だけでなく部分一致や合成翻訳の結果も表示する。例文集や辞書については順次拡充する予定。

 ライセンス費用は、1IDで利用する場合が月額8800円(税別)、5IDで月額2万8000円(同)、10IDで月額4万8000円(同)、100IDで月額28万円(同)、500IDで月額80万円(同)、1000ID以上は個別見積もり。

17言語に対応
マイブック。過去の翻訳結果を対訳形式で自動保存しリスト化、検索も可能

 このほか、機械翻訳結果の修正を世界中の翻訳者へ依頼することも可能。YarakuZenで修正したい文章を指定することで、世界3万人以上のクラウド翻訳者にボタン1つで修正依頼できる。翻訳レベルは翻訳者の経験などに応じて3段階に分かれており、必要なレベルと予算に応じて選択可能。クラウド上の依頼なので24時間いつでも対応しており、メールなら最短15分で修正が完了するという。

 人間翻訳費用は、日本語から多言語への翻訳の場合、「カジュアル」(経験の浅い翻訳者)が3円(税別)/文字、「スタンダード」(所定のテストに合格した翻訳者。NDA締結)が6円(同)/文字、「プロフェッショナル」(所定のテストに合格した経験豊富な翻訳者。NDA締結)が10円(同)/文字、「エキスパート」(法律・医療など専門分野に特化した翻訳者。NDA締結)が15円(同)/文字から。

翻訳発注画面。文章単位で選択し、世界3万人以上の翻訳者に発注可能

川島 弘之