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ネットアップ、FASユニファイドストレージのハイエンドとエントリー向け新モデル

ハイブリッドクラウド環境におけるデータ基盤の中核に

 ネットアップ株式会社は6月18日、FASユニファイドストレージの新モデルとして、高いパフォーマンスを備えたハイエンドストレージ「FAS8080 EX」と、手ごろな価格のエントリーストレージ「FAS2500」シリーズを本日より販売開始すると発表した。

 新モデルの発表にあたり、ネットアップ 執行役員 Chief Technology Officer システム技術本部の近藤正孝氏は、「現在、クラウド化の流れが急速に進んでおり、プライベートクラウドとパブリッククラウドをシームレスに融合したハイブリッドクラウド環境によるデータ基盤が求められている。しかし、実際にハイブリッドクラウド環境を構築するにあたっては、コンピューティングに比べて、データが非常に重くなり、処理性能が落ちてしまうという課題を抱えている」と、ハイブリッドクラウド環境におけるデータ基盤の実情について説明。

「これに対して当社では、プライベートからパブリックまで、幅広いクラウドベンダーとの強大なエコシステムを形成し、フルレンジのデータファブリックソリューションを提供している。そして今回、この戦略の中核を担う新ストレージシステムとして、『FAS8080 EX』および『FAS2500』シリーズをリリースする」としている。

ネットアップ 執行役員 Chief Technology Officer システム技術本部の近藤正孝氏
FASユニファイドストレージのラインアップ

 ハイエンドストレージ「FAS8080 EX」は、同社ストレージ製品で最も高いパフォーマンスとスケールアウト型アーキテクチャを備えたモデルで、従来の「FAS/V6250」と「FAS/V6290」の後継システムとなる。SANとNASのワークロードのパフォーマンスを大幅に向上し、最大400万IOPSまで拡張することができる。高速処理と低レイテンシが求められるアプリケーション向けには、約500TBのフラッシュキャッシュを搭載したハイブリッド構成にすることも可。また、厳しいサービスレベル要件に対応するために先進的なQOS(quality of service)機能も提供する。

 さらに、容量を約70PBまで、I/Oコネクションを600以上までシームレスに拡張でき、ワークロード集約型のサービスプロバイダや大規模企業に必要不可欠な容量とパフォーマンスを備えている。

NAS環境でのFASユニファイドストレージのパフォーマンス
SAN環境でのFASユニファイドストレージのパフォーマンス
オールフラッシュ構成によるFASユニファイドストレージのVDIパフォーマンス

 また、「FAS8080 EX」のリリースにともない、「FAS8000」シリーズにおいて、オールフラッシュ構成のモデルを新たにラインアップする。「コア数とメモリ容量が強化され、パフォーマンスも大幅に向上した『FAS8000』シリーズは、従来のプラットフォームファミリーに比べて、SSDの性能が発揮しやすくなっている。特に、新モデル『FAS8080 EX』のオールフラッシュ構成では、最も高いIOPSと低レイテンシを実現し、仮想デスクトップ(VDI)やデータベースなどのビジネスクリティカルアプリケーションに最適なソリューションを提供する」(近藤氏)という。

 同社では、これに合わせて、VDI向けにオールフラッシュ構成のFASシステムのリファレンスアーキテクチャ「NetApp All-Flash FAS Reference Architecture for VDI」を発表している。

 エントリーストレージ「FAS2500」シリーズは、2Uサイズ「FAS2520」、2Uサイズ「FAS2552」、4Uサイズ「FAS2554」の3モデルをラインアップ。それぞれ、「FAS2220」、「FAS2240-2」、「FAS2240-4」の後継システムとなる。フラッシュ容量を4TBに拡張することで、ワークロードを最大46%高速化できるほか、データ利用効率を48%向上することが可能。また、大規模企業向けのデータ管理機能も備えており、最新ストレージOSであるNetApp Data ONTAP 8.2.2の優れた性能を活用し、ブランチオフィスからデータセンター、クラウドまで、企業のIT環境全体でデータ管理を簡素化する。さらに、新しいIO設計により、「FAS2520」ではオンボード10GBase-T、「FAS2552」と「FAS2554」ではオンボード10GbEおよびオンボードFC(8GBまたは16GB)を搭載し、接続性を向上している。

 新製品の最小構成価格(税別)は、「FAS8080 EX」が2413万円から、「FAS2500」シリーズが120万円から。

 なお、同社では、今回の新製品とともに、ストレージコストの管理、合理化、ストレージサービスの最適化などを実現する新サービス「NetApp Services for OnCommand Insight」を提供する。同サービスは、異種混在環境のデータセンターにハイエンドの「FAS8000」シリーズを導入した顧客向けにカスタマイズしたソリューション。NetAppのリソース、ツール、ベスト プラクティスを活用し、顧客特有のビジネス要件に沿ったダッシュボードやレポート機能を備えたIT環境の分析機能を提供するという。

唐沢 正和