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最新ソリューションを展示する「富士通フォーラム」、15日より開幕

交通、エネルギー、農業、ビッグデータ、ワークスタイル変革などをテーマに

 富士通株式会社は13日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで「富士通フォーラム2014」(5月15日・16日)を開催するのに先立ち、報道関係者を対象に展示内容を公開した。

 今年の富士通フォーラムは、「Human Centric Innovation」をテーマに、交通や自動車、エネルギー、農業、ライフ&コミュニティ、医療、教育などの「ソーシャルイノベーション」、ワークスタイル変革やマーケティング変革、ビッグデータ活用、ものづくり革新などの「ビジネスイノベーション」、ICTの最適化やセキュリティ、クラウドサービス、SDNなどの「イノベーションを支えるICT」のそれぞれの切り口から、同社の最新技術や製品、サービスを一堂に展示する。

 また、15日午前10時からは、富士通の山本正已社長が、「ビジネス革新と豊かな社会の実現に向けた挑戦 ‐Human Centric Innovation‐」をテーマに基調講演を行うほか、日本マイクロソフトの樋口泰行社長、日本オラクルの杉原博茂社長、シスコシステムズの平井康文社長、SAPジャパンの安斎富太郎社長などの講演も予定されている。

 写真で会場の様子を見てみよう。

富士通フォーラム2014の展示会場

東京国際フォーラムで5月15、16日に開催される「富士通フォーラム2014」
入り口にあるテーマステージ。Human Centric Innovationをテーマに紹介。ユーザーとの協創事例も紹介する
富士通フォーラムの展示構成
この日は富士通の山本正已社長も会場を視察
ソーシャルイノベーションの展示コーナー
未来の農業をジオラマ模型で紹介
食・農クラウド「Akisai」の展示。会津若松のAkisai工場で作られた野菜も展示
Vehicle ICTの展示。センシング技術と車載サーバーを活用し、次世代自動車に要求される安全、快適、環境性能を実現する
ペットの健康管理などを行うためのウェアラブル端末群
スマートホームプラットフォームの展示
タブレットなどを活用した次世代教育環境を体験できる
スーパーコンピュータ「京」のシステムラックも展示
マイナンバーを利用したATM端末のデモンストレーション
医薬品の研究開発に活用する創薬クラウド。次世代医療にも力が入る
ビジネスイノベーションの展示コーナー
ワークスタイル変革もビジネスイノベーションの重要なテーマ
ARを活用して保守サービスを行う事例紹介
ARを活用して、街の情報を動画としてタブレット上に表示できる
ヘッドマウントディスプレイやウェアラブルキーボードを利用した現場業務の改革事例
人流計測を行うデモンストレーションを会場内に設置
触感が得られるタッチパネルを搭載したタブレット
指で直感的な操作が可能な次世代インターフェイス。簡単に新聞の切り張りができる
デジタルマーケティングの事例。商品を取り上げるとそれに関する情報が表示されたり、クーポンがタブレットに表示される
店員はGoogle Glassを使用して、店内の顧客の動きを知り、適切な接客ができる
スマホをテレビにかざすと商品情報が表示され、そこから購入手続きができるソリューション。ジャパネットたかたが採用している
店内の顧客の動きをデータ化して利益拡大を図ることができるソリューション。伊勢丹が導入している
タブレットを利用して点検作業の効率化を図ることができる
ロボットによる組み立て動作を生成し、可視化するソリューション
4方向の画面を立体画像で見ることができるものづくりソリューションの事例
「イノベーションを支えるICT」の展示コーナー
セキュリティダッシュボード。攻撃への対策を富士通の実践知をもとに行う
参考展示したアプライアンス型のサイバーセキュリティソリューション
垂直統合型仮想化・クラウド基盤のFUJITSU Integrated System Cloud Ready Blocks
SPARC M10も展示していた
手のひら静脈を活用した新認証サービス。サービスごとに異なるバイオコードを登録できる

現場でのビッグデータ利活用を促進するソリューションを発表

 一方、同社では、内覧会にあわせて「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics」の提供を6月から開始することを発表した。

 同社では、ビッグデータに関する製品・サービス群を体系化した「FUJITSU Big Data Initiative」を2013年6月に発表。さらに同年10月には、ユーザーが導入効果などをイメージしやすいように、10種のオファリングメニューを策定していた。今回の製品は、同イニシアティブの継続的な取り組みのひとつに位置づけており、10種のオファリングメニューのうち、業務部門のニーズが特に高い3種のオファリングメニューに対し、業務部門の担当者が、自らデータの利活用ができるように、実践知を組み込んだ分析シナリオと、業務ごとに最適なソフトウェアを組み合わせて提供。それを支えるデータ管理基盤とインテグレーション・サービスを提供する。

 「営業部門や経営戦略立案部門などの業務部門が自らビッグデータを活用し、マーケティング高度化や業務プロセス変革などを実現するビッグデータ利活用ソリューション。富士通がこれまで導入してきたノウハウを、データ分析手法として組み込み、分析のためのソフトウェアを、業務ごとに最適に組み合わせている。分析のノウハウを持たなくても簡単な操作で、分析を可能にする」としている。

 第一弾として、業務部門でのニーズが高い「需要予測モデル」「顧客行動分析モデル」「経営分析モデル」を提供。業務システムのデータを含む社内の各種データやSNSなどの外部データを組み合わせてリアルタイムに分析できるという。

 また、「Operational Data Management & Analytics」のデータ管理基盤のひとつとして「FUJITSU Integrated System Analytics Ready」を新たに提供するほか、インテグレーションを強化し、業務部門によるビッグデータの利活用促進につなげる考えだ。

 「需要予測モデル」では、消費財メーカーの営業部門向けに、小売店の販売明細データに、地域のイベント情報や気象情報などの外部データを活用して、需要を予測。富士通研究所の独自技術による予測の並列実行と予測結果の自動判定機能により、高精度な需要予測を短時間で行える。

 「顧客行動分析モデル」では、小売店のマーケティング部門向けに、顧客や商品といった店舗情報に加え、SNSやWebサイトなどからの情報を使って、顧客購買動向を分析するソリューション。さまざまなチャネルのデータを活用した32種分析メニューを提供する。

 「経営分析モデル」は、グローバルに展開する製造業の営業部門向けに、リアルタイムに海外拠点のビジネス状況を把握することで、拠点の営業活動を支援するソリューション。国際標準コードに対応したマスタ変換機能により、グローバルに統一した分析が可能になるという。

 さらに、「FUJITSU Business Application Operational Data Management & Analytics 設計適用サービス、スタートアップサービス、運用・保守サービス、利活用支援サービス」を提供。これにあわせた体制強化として、2013年6月に800名人体制でスタートしたビッグデータイニシアティブセンター内に、支援プログラムを実践する専門技術者を100名新たに増員する。

大河原 克行