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「ビジネスの構造変化はあちこちで起こっている」~富士通・山本正已社長 (変化の時代だからこそ攻めの経営が重要)

富士通フォーラム基調講演レポート

変化の時代だからこそ攻めの経営が重要

 また山本社長は、働き方の変革にも触れた。

 「つながる世界によって、ビジネスの現場に新たな自由をもたらしている。時間や場所の制約から解放され、より機動な働き方ができる。また、知識やノウハウの活用に大きく貢献している。ビジネスのパラダイムシフトが進んでいるし、業界の構造、競争の源泉、パワーバランスなどが大きく変わり始めている。既存のものを守るのは、最も厳しい選択。変化にいち早く対応し、積極的に活用すれば、大きなアドバンテージが手に入る。攻撃は最大の防御である。これは企業経営にも当てはまる。変化の時代だからこそ、攻めの経営が重要である」と語った。

 このほか、エネルギー問題や食料、水資源問題、少子高齢化、社会保障費や財政問題といった世界的な課題に触れながら、「持続可能な社会の実現に向けて、いまや複数のレベルで、人の英知が試される時代。単純な解決策はないが、技術には人を支援する力がある」と主張。

 「富士通の基本戦略は、信頼性の高いICTによって、ビジネスや社会をしっかりと支えていくことになる。経済活動の根幹で金融システムでは、安全性、確実性、迅速性が求められているが、こうした要求に確実に応えていく。医療分野でのクラウドを活用した在宅医療サービスも進展しており、ICTは命を守るインフラになっている」と、さまざまなICTがインフラを支えていることを示した。

 加えて、「スケールの大きな課題については、コンピュータシミュレーションが一日の長があり、津波のシミュレーションによって、災害に強い街づくりに貢献するといったことも行う。さらに、農業の革新にも取り組む。このとき中心となるのは人である。富士通は、ヒューマンセントリック・イノベーションを支援。こうした活動を通じて、ビジネス基盤や社会基盤を守り、ICTを生かした新たなイノベーションに挑戦する。ビジネスの革新を実現するテクノロジー、社会課題を解決するテクノロジーに力を注ぐ」とした。

 富士通では、使用しなくなった半導体工場のクリーンルームを活用して、ICTを活用した野菜づくりを行う「Akisai」に取り組んでいるが、壇上ではそこで作った野菜を用意。山本社長が実際に食べながら、「カリウムの含有量を減らし、シャキシャキして苦みがなくおいしい野菜が作れる」とした。

 「富士通はICTの力で、ビジネスや社会全体に貢献していく。医療、農業、防災、教育、環境、エネルギー分野でのイノベーションによって、社会をより豊かにするとともに、新たなビジネス展開を支援し、ビジネスをグローバルにサポートする。そのためにも世界のパートナーとも連携していく。富士通は、お客さまのイノベーション・パートナーでありたいと考えている」と語った。

(大河原 克行)