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富士通、現場でのビッグデータ利活用を促進するソリューション

 富士通株式会社は13日、ビッグデータに関する製品・サービス群を体系化した「FUJITSU Big Data Initiative」において、現場革新を実現するビッグデータ利活用ソリューション「FUJITSU Business Application Operational Data Management&Analytics」(以下、Operational Data Management&Analytics)を、6月より提供開始すると発表した。

 「Operational Data Management&Analytics」は、業務システムのデータを含む社内の各種データやSNSなどの外部データを組み合わせ、リアルタイム分析を行えるようにするソリューション。分析のノウハウを持たなくても簡単な操作で行える点を特徴としており、第1弾として、業務部門でのニーズが高い「需要予測モデル」「顧客行動分析モデル」「経営分析モデル」を提供する。

 このうち「需要予測モデル」は、小売店の販売明細や、地域のイベント情報や気象情報などの外部データを活用して需要を予測する、消費財メーカーの営業部門向けのソリューション。簡単に外部データを活用できる変換機能や、分析メニュー15種(地域・店舗特性分析、価格・シェア分析など)を提供する。また、富士通研究所の独自技術による、予測の並列実行と予測結果の自動判定機能により、高精度な需要予測を短時間で行えるとした。

 2つ目の「顧客行動分析モデル」は、小売店のマーケティング部門向けソリューションで、顧客や商品など従来の店舗情報に加え、SNSやWebサイトなどからの情報を利用し、顧客購買動向を分析する。具体的には、さまざまなチャネルのデータを活用した分析メニュー32種(デシル分析・関連購買分析など)を提供可能。このほか、アンケートや売り場レポートといった数値化されていないオフライン情報を、富士通の自動翻訳ソフト「FUJITSU Software ATLAS(フジツウ ソフトウェア アトラス)」で培った日本語意味解析機能により分析できるので、多角的な顧客購買動向の分析が容易に行えるとのこと。

 最後の「経営分析モデル」は、グローバルに展開する製造業の営業部門を対象としたソリューション。リアルタイムに海外拠点のビジネス状況を把握することで、拠点の営業活動を支援する。分析メニューは、グローバルで統一した24種(地域・拠点・顧客・商品・事業の5軸によるセグメント別損益分析など)を提供。拠点ごとにバラバラな売り上げ明細や商談状況のデータを、国際標準コードに対応したマスタ変換機能により、グローバルに統一して分析できるという。

 価格は2000万円(税別)から。提供は6月より順次開始する予定だ。

活用イメージ図

 また今回、「Operational Data Management&Analytics」のデータ管理基盤の1つとして、「FUJITSU Integrated System Analytics Ready」を製品化した。これは、独SAP社の技術を採用したカラムストア型のビッグデータエンジンに、ハードウェアと運用管理ソフトを組み合わせたデータ管理基盤。既存の業務データに加えて、日報などの社内データ、オープンデータをはじめとする外部データなどの、多種多様な大量データを、汎用データベースの500倍のデータ分析性能(富士通実測の平均性能値)で高速に処理できるという。

 さらに、業務部門の利用者が、地域別・商品別など分析したい軸にあわせて分析データの種類、分析ロジックを視覚的に変更できるため、利用者の思考にあわせた分析が実現するとのこと。なお同製品は、「Operational Data Managemen&Analytics」の1つの基盤として構成されるだけでなく、他社の分析ソリューションとの連携にも対応する。

 価格は4500万円(税別)からで、7月より提供を開始する予定。

Operational Data Management&Analytics

 このほか富士通では、ビッグデータ活用に向けた最適なシステムを実装するため、システム設計、導入、運用において、利用者のデータ利活用にかかわるインテグレーションをライフサイクルで支援するサービス「FUJITSU Business Application Operational Data Management&Analytics 設計適用サービス、スタートアップサービス、運用・保守サービス、利活用支援サービス」もラインアップした。

 さらに、こうしたサービスの提供を踏まえて、2013年6月に組織化した800名からなるビッグデータイニシアティブセンター内に、支援プログラムを実践する専門技術者を100名新たに増員する。

 価格は個別見積もり。提供開始は6月を予定している。

石井 一志