ニュース

北海道ガスが「データに基づく経営」へ、BI新基盤に「Dr.Sum EA」

電気・ガスの小売全面自由化も見据え

 ウイングアーク1st株式会社(以下、ウイングアーク)は23日、北海道ガス株式会社が現場から経営層まで誰もが利用できるBI基盤として、BI・データ活用ソリューション「Dr.Sum EA」を採用したと発表した。

 北海道ガスは、道内で家庭や企業へのガスのエネルギー提供をはじめ、熱や電気といったエネルギー関連ビジネスを展開している。ガス機器の保守点検・サービスなどの顧客接点業務は北ガスフレアスト(以下、フレアスト)を通じて行っている。

 顧客接点業務において従来、データが複数のシステムに散在し、使い勝手の異なるシステムを利用せざるを得ないなど、データを十分に活用できないことが課題だった。そこで2013年に自社の顧客情報だけでなく、灯油、電気、LPGなど他エネルギーを利用する顧客情報も含めた、すべてのデータを一元管理するIT基盤「LINKS」を構築。この基盤として「Dr.Sum EA」を採用した。

 導入においては、ウイングアークのBIコンサルティングサービスも活用し、「データをどう使うか」といったことからスタート。設計・構築では利用部門からの粒度の異なるリクエストにも対応した。

 システム稼働後は、トレーニングの効果もあり、現場に浸透。フレアストが利用する端末をスマートデバイスにし、外出先でもデータの即時入力を実現したことで、業務進ちょく確認が従来月次だったのが日時で確認できるようになるなど、業務が効率化されたとのこと。推定値として従来比20%の時間短縮を実現。業務担当部門からは「無駄な中間帳票がなくなった」「二重入力が不要となった」と評価されているという。

 用途も拡大しつつあり、たとえばイベント企画の際にターゲットとなる顧客情報をBIから抽出し、地図情報と連動させて該当地域内の見込み客を絞り込むといった使い方も。また、現在は100以上のレポートが社内で公開され、利用が促進されている。

 北海道ガスでは今後、電気・ガスの小売全面自由化も見据え、競争力を高めるために「データに基づく経営」を定着させていく予定という。

川島 弘之