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大林組とNEC、ビッグデータ分析でビルのエネルギー需要予測に成功

 大林組とNECは29日、NECのビッグデータ分析技術「異種混合学習技術」を活用して、ビルのエネルギー需要を予測する実証実験を共同で実施したと発表した。その結果、ビルの「冬期営業日の昼間」「夜間」などで異なる規則性を自動的に発見し、将来の電力使用量・熱量を予測できたという。

 大林組はビル群のエネルギー管理のスマート化に向けて、最先端のエネルギー供給・制御技術の研究開発に取り組むとともに、自社設備を活用した実証を積極的に行っている。一方、NECは高度なビッグデータ分析技術を多数保有し、事業展開している。今回、両社の技術・ノウハウを組み合わせ、ビルのエネルギー需要を予測するためのデータ分析方法を共同で検討し、本実験を実施した。

 実験では、大林組の技術研究所本館(東京・清瀬市)における、過去2年間の電力使用量、空調に用いた熱量(温水熱量/冷水熱量)、気象、営業日、日付、在籍者数などの各種データを基に、将来の電力使用量・熱量を予測した。分析においては、ビッグデータに混在する多数の規則性を自動で発見する「異種混合学習技術」を活用した。

 結果、技術研究所本館で収集したデータから「冬期営業日の昼間」「夜間」「祭日」などで異なる規則性を自動的に発見。24時間後や1カ月後などの電力使用量・熱量を、人手による複雑なデータ分割作業を行うことなく予測できたという。

 この結果を踏まえ大林組は、2014年11月に導入を予定する、技術研究所内のすべてのビルを対象にしたエネルギースマート化プロジェクトにおいて、異種混合学習技術を活用したNECのエネルギー需要予測システムを採用する予定。

 NECは今後も異種混合学習技術を用いた顧客との実証実験を進めるとともに、同技術を用いたエネルギー需要予測ソリューションのメニュー化を進める方針。

川島 弘之