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日本オラクル、SPARC T5を採用したエンジニアド・システム「Oracle SuperCluster T5-8」
検証センターも東京・青山の本社内に移転しリニューアル
(2013/7/9 06:00)
日本オラクル株式会社は8日、Oracle Solaris環境を高速化するエンジニアド・システム「Oracle SuperCluster(旧称:Oracle SPARC SuperCluster)」の最新型、「Oracle SuperCluster T5-8」を発表した。日本では4月に発表された最新のUNIXサーバー「SPARC T5-8」をベースにした製品で、前世代のOracle SuperClusterと比べて、性能を2.5倍に向上しているという。最小構成価格は、ハードウェアのみで6467万4000円(税別)から。
Oracle SuperCluster T5-8は、16コアのSPARC T5プロセッサを最大8基搭載する「SPARC T5-8」サーバーをベースとしたエンジニアド・システム。Oracle Solaris 11を搭載し、従来のSolarisアプリケーションをそのまま動作させられるのが特徴で、ストレージコンポーネント「Oracle Exadata Server」、ミドルウェア処理を高速化する「Oracle Exalogic Elastic Cloud Software」、高速・低遅延なInfiniBandスイッチ、統合ストレージ基盤「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」などを組み合わせ、最適化された状態で提供される。
システム事業統括 プロダクト・マネジメント・オフィス チーフテクノロジストの大曽根明氏は、「購入してすぐに最高の性能で使えるのがエンジニアド・システムの強み。導入が月単位でなく1日2日で終わるため、利用までの時間が短縮できるし、さらに自社のソフトウェアに最適化されている」と、エンジニアド・システムならではの価値を強調。さらに、ワールドワイドで17の記録を樹立したSPARC T5世代にハードウェアが更新されたことで、“世界最速の性能”を提供するとのこと。
また、執行役員 システム事業統括の飯尾光國氏は、「当社はハードウェア専業ではなく、データベース、ミドルウェア、アプリケーションを持ったベンダー。単にハードウェア単体のパフォーマンスをお客さまに提供することは一切なく、アプリケーションやミドルウェアの開発者とともに設計・開発している」という他社との違いをアピール。データベースでは他社の7倍、ミドルウェアでは12倍といった価格性能比のデータを示し、自社ハードウェアと自社ソフトウェアの組み合わせで提供する「Oracle on Oracle」の価値を強調している。
加えて、「Oracle VM Server for SPARC」「Oracle Solaris Zones」といった仮想化技術にも標準で対応し、しかも仮想化によるオーバーヘッドを排除しているので、データセンター内のシステムの統合やプライベートクラウドの導入にも最適とした。
なお2014年度のハードウェア戦略として、日本オラクルでは、「最大のコストパフォーマンスを前面に出して、競合他社からのシェア拡大を図る」(飯尾氏)ほか、Oracle on Oracleによる価値訴求も進める考え。さらに、既存の自社ハードウェアのインストールベースにも働きかけ、プラットフォームの刷新を提案していくとのことである。
今回は製品に加えて、自社ハードウェア、ソフトウェアの検証施設「オラクル・ソリューション・センター」をリニューアルし、7月8日付けでオープンしたことも発表された。従来は用賀にあったパートナー、顧客向けの検証施設を東京・青山の本社内に移転させたもので、電源・空調設備の最新か、ネットワークインフラの高速化、大型機器設置・拡張を容易に行える環境などを整備した。
このほか、検証メニューも強化された。具体的には、エンジニアド・システムであるOracle ExadataのバックアップストレージとしてSun ZFS Storageの採用が増えていることを受け、両者の連携検証が可能になったほか、SPARCサーバーとOracle BI Enterprise Editionの連携検証、Oracle Database 11g R2とSun ZFS Storage、あるいはPillar Axiomストレージとのデータ圧縮の連携検証などが可能になった。
顧客やパートナーはオラクル・ソリューション・センターを利用することで、検証に要するハードウェア、ソフトウェアの準備や事前作業などにかかる手間を省力化できるため、検証期間の短縮などが見込めるとのことだ。