ニュース

マツダ、自動車設計・開発用のIT基盤に日本オラクルのサーバー「SPARC T4」を採用

Oracle VM Server for SPARCにより、25台のサーバーを3台へ統合

 日本オラクル株式会社は4日、マツダ株式会社が、自動車設計・開発用のIT基盤に、日本オラクルのUNIXサーバー「SPARC T4」サーバーを採用したと発表した。

 マツダでは、新車の企画・開発から生産までのプロセスをデジタル技術で実現するシステム「マツダデジタルイノベーション(MDI)」を1996年より運用開始し、最大で約3500ユーザーが、3次元のCAD、CAM、PDMなどを利用して自動車の設計・開発・製造を強化している。

 しかし、MDIシステムが進化するのに伴って、リソースの配分と利用効率、性能、運用コストなどの課題が顕在化。特に、ITツールごとに導入していたサーバーリソースが平準化できていないという問題があり、効率的な運用を行えていなかった。このため、始業時や終業時のピーク時に1時間あたり100万トランザクションが発生し、応答性能が低下していたという。また、30台のサーバーで構成されていたMDIシステムでは、電気代や運用管理工数といった運用コストも増加傾向にあった。

 そこで今回は、アプリケーションの本番稼働用に「SPARC T4-4」と「SPARC T4-2」を各1台、アプリケーション開発・保守および事業継続・災害対策用に「SPARC T4-2」を1台導入。仮想化技術「Oracle VM Server for SPARC」を利用して、移行対象とした25台のサーバーを3台に置き換えた。

 これによって、従来の課題だった応答性能の低下を防げたことに加えて、応答時間も従来の約半分に改善。さらに運用コストを約40%、サーバーの月間消費電力を75%削減できたほか、サーバーを格納するラック数が12本から1本へと劇的に減少し、専有床面積を90%減らせたという。

 加えて、今後4~5年先までを見据えたデータ量の増加、MDIシステムの進化、利用形態の変化にも柔軟に対応可能なサーバー基盤が確保できたとのこと。

(石井 一志)