高知大学医学部附属病院、日本IBMの支援で仮想デスクトップクラウドを導入へ


 高知大学医学部附属病院は4日、日本アイ・ビー・エム株式会社(日本IBM)の協力のもとで、仮想デスクトップクラウドを用いた病院情報システムの刷新を5月より開始したと発表した。新病院情報システムの稼働は2013年1月を予定する。

 1日の外来患者数が1100人規模の高知大学医学部附属病院では、その病院業務を支援する病院情報システムに、電子カルテを快適に利用できる高速なレスポンスと操作性、いつでもどこでも診療情報へアクセスできる環境、強固なセキュリティ対策、システムの運用管理の容易さなどを求めており、それらを実現するためにシステムの刷新を開始した。

 具体的なシステムとしては、仮想化ソフト「Citrix XenDesktop」および「Citrix XenApp」を採用。日本IBMが持つ仮想化システム導入の実績を生かし、1300ユーザーを想定した仮想デスクトップクラウド環境を構築する。これによってユーザーは、クライアント端末の場所や種類にかかわらず、いつでもどこでも診療情報に安全にアクセスできるようになり、業務の柔軟性と利便性が向上するという。

 また、ユーザー間のファイル共有は従来利用していたUSBメモリなどではなく、ファイル共有サーバーを介して、アクセス権を設定しながら柔軟に行えるようになるため、セキュリティを確保しつつ情報共有の利便性を図れるとのこと。

 さらにユーザーが端末にログオンすると、そのユーザー専用のポータル画面が起動する仕組みを用意。そのポータル画面から、各自に必要なすべてのアプリケーションをシングルサインオンで立ち上げられるので、ユーザーの操作性・効率を向上させられるとしている。

 一方管理側にとっては、クライアント環境を集中管理でき、より強固なセキュリティの確保と効率的な運用管理が可能になる点がメリット。ウイルス対策についても仮想化対応させ、管理性と可用性を向上させる。

 また看護師が看護支援ソリューションを利用するためにiPod touch端末を利用するが、その端末の管理ソリューションとして「IBM Mobile Enterprise Service」を採用し、端末のセキュリティとガバナンスを管理する仕組みも用意している。

 なお病院情報システムには、IBMのヘルスケアソリューション「Clinical Information System(CIS)」を活用しているとのこと。

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(石井 一志)
2012/7/4 16:19