第8世代の「HP ProLiant」発売、キーワードは“自働”

データセンターのあらゆる作業を自動化


設計思想

 日本HPは29日、x86サーバーの次世代機「HP ProLiant Generation 8」を発売した。2年間で250億円の投資を行い、900以上の特許を出願している新サーバープロジェクト「Project Voyager」の中核をなす製品で、新たな設計コンセプト「HP ProActive Insightアーキテクチャ」に基づき、テクノロジー、インフラ、サービスを一体化した“自働サーバー”として稼働するのが特長という。

 同アーキテクチャを実現するコアテクノロジーとして、サーバー内蔵の管理システム最新版「HP iLOマネジメントエンジン(以下、iLO)」を搭載。これがデータセンターのさまざまな作業を自動化してくれる。

 具体的に、従来の「リモート管理機能」「電源管理・制御機能」に加えて、導入・維持更新の作業時間を大幅に短縮する「HP Intelligent Provisioning」、OS上にエージェントを導入することなく、iLO自身がハードウェアを監視する「エージェントレス管理機能」、フライトレコーダーのように正常稼働・故障時を問わずCPUやメモリなどの主要コンポーネントに関するログを取り続ける「Active Health System」、保守対応を迅速化する「自動通報機能」、顧客やサービスプロバイダーに提供されるクラウドポータル「HP Insight Online」といった新機能を備えている。

 HP Intelligent Provisioningは、サーバーセットアップ時間を短縮する技術で、従来必要となるドライバー、ファームウェア、各種ツールのメディアを用意することなく、F10キーを押すだけで、iLOに内蔵されたツール群のインストールがわずか3秒で開始できる。これにより、セットアップにかかる手間・工数を45%削減し、時間にして3倍の高速化が可能になるという。最新バージョンへも自動で更新が行われる。

 障害に対しては、エージェントレス管理機能により、iLO自身がCPUとは独立し、負荷を抑えたハードウェア監視が行われる。さらにActive Health Systemが、システムボード、CPU、メモリ、HDDなどの主要コンポーネントに関連する構成変更やエラー情報などを時系列で自動記録。1600項目に及ぶハードウェアログ・イベントログを最大で約450日分、iLOのチップ上に保持する。電源ケーブルを挿した時点から、OS停止時にもログが取得されるのが特長。これにより問題の早期解決が可能となる。

 加えて、自動通報機能を利用すれば、ハードウェア自身が障害/障害予兆をHPサポートセンターへ自動通報するため、問題発生を事前に回避することも可能になるという。

 さらにHP Insight Onlineが顧客とHPのパートナー向けに提供される。クラウド型のポータルで、サーバーの運用・保守に必要な情報をまとめて表示してくれる。具体的に表示されるのは、構成情報、サービスイベント、保証・保守契約に関する情報で、これらをいつでもどこからでもオンラインで確認できる。同ポータルとHP通報サービスを連動させることも可能だ。

 「iLOという新しいハードウェア技術、ポータルをはじめとするクラウド型のツール、ハードウェアやツールから連携するサービスオペレーション。これらを組み合わせた新しい運用体験が新製品の特長だ。データセンターでのあらゆる作業を自動化し、手作業を“極限”まで削減できる。同製品でマーケットシェア1位を取るべく、Voyageを推進していく」(エンタープライズサーバー・ストレージ・ネットワーク事業統括 サーバーマーケティング統括本部、インダストリースタンダードサーバー製品本部長の橘一徳氏)とした。

 ラインアップはタワー型の「ML350p Gen8」、ラックマウント型の「DL360p/380p Gen8」、ブレード型の「BL460p Gen8」、およびスケールアウト型の「SL230s/250s Gen8」の計6モデル。価格はML350p Gen8が21万4200円から、DL360p Gen8が29万8200円から、DL380p Gen8が33万4950円から、BL460c Gen8が35万2800円から、SL230s Gen8が22万500円から、SL250s Gen8が24万7800円から。

ML350p Gen8BL460p Gen8

DL360p Gen8DL380p Gen8

SL230s Gen8SL250s Gen8
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