シマンテック、「Storage Foundation 6.0」を20日に国内発売

重複排除・圧縮と可用性機能を向上


システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスタ製品担当技術部長の星野隆義氏

 株式会社シマンテックは15日、ストレージ管理製品の新版「Veritas Storage Foundation製品群 6.0」の国内提供を発表した。20日よりパートナー経由で販売する。

 提供されるのは、「Storage Foundation 6.0」「Cluster Server 6.0」「Operations Manager 6.0」など、全12種類のソフト製品群。これらはストレージ基盤を変革するさまざまな機能を提供し、企業のプライベートクラウドへの移行・構築、ならびにビッグデータに対応するストレージ管理を支援するという。

 新版では主に、1)重複排除・圧縮機能の強化、2)可用性の向上が図られた。

 1)では、ファイルシステムレイヤへ重複排除・圧縮機能を実装することで、ストレージ容量削減能力を向上した。同社の検証によると、「仮想OSの複数イメージ(2TB)をStorage Foundation 6.0を導入したファイルサーバー上に配置し、重複排除・圧縮したところ、60%から最大95%のストレージ容量削減効果が認められた」(システムエンジニアリング本部 ストレージ&クラスタ製品担当技術部長の星野隆義氏)という。

最大95%のストレージ容量削減効果が認められた

 2)では、「バーチャル・ビジネス・サービス(VBS)」「インテリジェント・モニタリング・フレームワーク(IMF)」「Windows Serverアプリケーションの高速フェールオーバー」ならびに「Hyper-V/KVM仮想OSでの可用性向上」などさまざまな新機能を搭載した。

 VBSは、Cluster Server 6.0とApplicationHA 6.0に搭載された新機能。複数のサーバー、プラットフォーム、物理・仮想環境に分散配置されている業務システム全体を単一のビジネスサービスとして仮想的にまとめ上げる。システムの一部に障害が発生した場合、1回のクリックでシステム全体の起動、停止、テスト、フェールオーバーが可能になる。

 IMFは、Cluster Server 6.0に搭載された新機能。障害検知を高速化する機能で、従来のポーリングによる定期的な障害監視ではなく、カーネルレベルでのリアルタイムな障害監視を実現する。

 Windows Serverアプリケーションの高速フェールオーバーは、Cluster Server 6.0 for Windowsに搭載された新機能。IMFで障害検知後に実行されるフェールオーバー処理を高速化する機能。フェールオーバー先のサーバーにストレージのアクセスを切り替える際に必要な手順を短縮することで処理時間を短縮する。従来はLinux/UNIX版のみで提供されていた機能だが、今回Windows版にも実装された。

 IMFと高速フェールオーバーの機能により、障害検知の時間とフェールオーバーの時間が短くなり、クラスタのプロセス全体で大幅な時間短縮が実現する。星野氏によれば「Apacheを構築、クラスタ監視下に設定し、Apacheのプロセスに障害を発生させた検証では、復旧時間が75%(3分2秒から46秒に)短縮できた」という。

クラスタのプロセス全体で大幅な時間短縮が実現するApacheのプロセスに障害を発生させた検証では、復旧時間が75%短縮

 今回は、ライセンス体系も刷新。従来のサーバー/CPU単位からコア単位に変更した。例えば、クアッドコアCPUの1コアを割り当てた仮想マシンで利用する場合、従来は1コアでもサーバー/CPU単位で課金されていたが、新体系では利用するコア数単位で購入できるため、無駄なコストを抑えられる。コア数に応じて小刻みにライセンス数を増やせるため、スモールスタートも可能だ。

【お詫びと訂正】初出時、価格情報に一部誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

 コア単位ライセンス価格は1万6510円(Linux版)、1万7680円(Windows版)、5万3950円(UNIX版)からとなる。ただし、CPUの性能によって価格は上昇し、CPUのモデルから価格を算出するツールで具体的な価格が決められるとのこと。一例として、Intel XeonクアッドコアでStorage Foundation for Linux Standard搭載の場合、従来のCPU単位では28万1580円だったのに対し、コア単位では4万9530円となる。

 シマンテックは、同製品をプライベートクラウドの促進剤として市場に提案する考え。代表取締役社長の河村浩明氏は「クリティカルサービスの仮想化が進み、今後、ストレージコストや可用性、セキュリティの課題が顕在化する。特にお客さまがプライベートクラウドを構築する際に、マルチOS・マルチプラットフォームの同製品を積極的に推進し、より効率的なストレージ運用、物理・仮想環境の可用性向上を支援する」と述べている。

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