富士通、最大1TB/秒の総スループット性能を実現可能なPCクラスタ向けファイルシステム「FEFS」
富士通株式会社は17日、PCクラスタシステム向けのファイルシステムソフト「FEFS」を発表した。同日より販売を開始する。数十台規模のPCクラスタシステムでは、価格性能比に優れたファイルシステムとして利用できるほか、最大では100万台規模のPCクラスタまで対応するという。
「FEFS」は、PCクラスタシステムにおける、計算ノードからの大量データの読み込み・書き込みの高速並列分散処理を可能にするソフト。オープンソースの「Lustre」をもとに独自の機能強化を加えており、ファイルシステムはデータ容量の要件に合わせ、TB(テラバイト)規模から8EB(エクサバイト)規模まで拡張できる。
性能面では、計算ノードとファイルシステム間の総スループット値で世界最高になる、最大1TB/秒の総スループット性能を実現しており、ストレージ1万台規模のシステム構築を行えるとのこと。またメタデータ操作性能でも、「Lustre」の約1~3倍となる、1秒間に数万個のファイル生成をサポートした。
加えて、信頼性に優れるのも特徴で、ディスクのRAID構成、InfiniBandのマルチパス構成、複数サーバー/ストレージ構成など、ファイルシステムにおける全階層での冗長化構成により、ジョブを実行したままでのフェイルオーバーを可能にしている。
さらに、ユーザー間フェアシェア機能を用いて、特定ユーザーがI/O処理帯域を占有することを防いだり、各ノードの運用に合わせた優先制御設定により、ノードごとのI/O処理帯域を保証したり、といったことも行える。
なお富士通では、x86サーバー「PRIMERGY」、ストレージシステム「ETERNUS」と「FEFS」を組み合わせたファイルシステムソリューションとして提供し、顧客のニーズに対応していく考え。
価格は、「PRIMERGY RX300 S6」×4台(InfiniBand接続)、「ETERNUS DX80 S2」×3と「FEFS」のライセンスを合わせた最小構成で、2143万円(税別)より。