ミドルウェア市場、一時回復も震災・円高の影響で再びブレーキ~IDC Japan予測


国内アプリケーションデプロイメントソフトウェア市場 売上額予測:2010年~2015年(出典:IDC Japan)

 IDC Japan株式会社は12日、国内アプリケーションデプロイメントソフト市場予測を発表した。2010年は1167億9700万円の規模となり、前年と比較して2.2%の成長となった。2011年~2015年の年平均成長率(CAGR)は2.5%と予測する。

 国内アプリケーションデプロイメントソフト市場を構成するアプリケーションサーバーミドルウェア市場とインテグレーション/プロセスオートメーションミドルウェア市場における2010年の市場規模内訳は、それぞれ646億9600万円(前年比成長率3.4%)、521億100万円(同0.8%)。GAGRは2.5%、2.6%で拡大し、2015年には731億8400万円、591億5200万円に達すると予測する。

 2010年の同市場は2009年の反動で回復を示す結果となった。更改を控えたシステムへのミドルウェア投資をこれ以上延期できないと考えた顧客が、案件凍結を解除したり、サーバー仮想化のように中長期的なITコスト削減につながる案件に限って実施を認めたりと、企業のミドルウェア投資への予算承認姿勢の変化が背景にあるという。

 ただし、2011年は前年比成長率マイナス4.2%の1118億3800万円と予測。東日本大震災の影響、円高の影響により、市場成長に再びブレーキがかかると見ている。

 IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの冨永裕子氏は、「同市場では、コスト削減につながるソリューションを短納期で提供することが不可欠となる。震災の影響でミドルウェアへの投資優先度が下がることも考えられるが、ベンダーは仮想化やクラウドを視野にいれた事業者のPaaS構築支援や、企業のアプライアンス製品需要に対応できる体制を整える必要がある」とし、環境変化に応じた新しいライセンス体系や、クラウドとオンプレミスとの連携を視野に入れたアプリケーション稼働基盤の提案が求められると分析している。

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