ジュニパー、スマートフォンに厳格な統合管理とセキュリティの機能を提供する「Junos Pulse」新製品


サービスプロバイダ マーケティングマネージャの佐宗大介氏
ウイルス対策や盗難・紛失対策などの機能と、管理機能が追加された

 ジュニパーネットワークス株式会社(ジュニパー)は26日、セキュリティ管理ソリューション「Junos Pulseモバイル・セキュリティ・スイート」を発表した。スマートフォン向けに、統合的なセキュリティ機能を提供するという。

 Junos Pulseモバイル・セキュリティ・スイートは、スマートフォン向けに統合的なセキュリティ機能を提供するソリューション。スマートフォン向けのエージェントソフトと、その接続を受けるゲートウェイアプライアンス、その管理機能などから構成される。

 エージェントソフトは、SSL-VPNアプライアンスなどと接続するクライアント機能と、ウイルス対策や迷惑メール(スパム)対策、ファイアウォール、盗難・紛失対策などのセキュリティ機能を統合している点が特徴。VPNなどのクライアント機能を提供するソフト、セキュリティソフトはそれぞれ、さまざま提供されているが、「両者をあわせて提供する世界初のソフト」(サービスプロバイダ マーケティングマネージャの佐宗大介氏)という。

 Junos Pulseではもともと、個別に提供されていたSSL-VPN、WAN高速化、ネットワーク検疫などのゲートウェイアプライアンスに接続するクライアントソフトを統合したものとして発表され、PC向け、スマートフォン向けなどのエージェントソフトがすでに用意されている。今回、この中のスマートフォン向けに、モバイルセキュリティ機能が統合されたのは、「スマートフォンが急速に普及する中で、そこが企業にとっての新たな脆弱性になってきている」(佐宗氏)からだ。

 すでに、多くの企業が厳密な管理体制を採用しているPCと異なり、スマートフォンを標準化し、適切に管理している企業はそれほど多くない。しかし、スマートフォンは非常に自由度の高い端末であり、「近年、PCでできることと、スマートフォンなどのモバイルインターネットでできることの差が、急速に縮まってきた」ことを佐宗氏は指摘。スマートフォンの管理を適切に行うことの重要性を訴える。

 こうした点を反映し、Junos Pulseモバイル・セキュリティ・スイートでは、GPSによる場所のトラッキング機能や、データのリモート削除機能といった、モバイル特有の盗難・紛失対策と、厳格な管理機能を取り入れている。

 管理機能については、ポリシーの強制によって、あるアプリケーションを強制的にインストールさせたり、逆に一切のアプリケーションインストールを禁止したり、特定の機能の利用を制限したり、といった制御が可能。また、インストールされているアプリケーションや写真のフォルダの中身、登録されている連絡先などの詳細な情報を、管理者が一元的に確認する機能を備えた。こうした管理に使う管理コンソールは、ジュニパーがSaaS形式で提供するので、サーバーの構築は不要になっている。

モバイルセキュリティに特化した「Juniper Global Threat Center」を設置

 また米Juniper Networksでは、こうしたモバイルセキュリティへのニーズの高まりを受けて、米国オハイオ州コロンバスに、モバイルセキュリティに特化した「Juniper Global Threat Center」を設置。24時間態勢で、世界的な脅威の監視や研究などを実施し、その成果を製品に反映していく。佐宗氏によれば、今回提供されるウイルス対策機能と、そのパターンファイルなどについても、OEMではなく内製での提供となり、他社と比べても低いメモリ・CPU利用率、高い検知率などを実現しているとのこと。

 Junos Pulseモバイル・セキュリティ・スイートの課金体系は、一般的なセキュリティソフトと同様、クライアント数に応じた年間サブスクリプション。最小で50クライアント(1年)から利用できる。なお、ソフトウェア自身はゲートウェイ接続、セキュリティの両機能が統合されているものの、セキュリティ機能のみ、ゲートウェイ接続機能のみの利用は可能。ゲートウェイ接続の機能だけを使う場合は、これまで同様、費用はかからない。

 すでに、米国で提供されているほか、日本を含めた各国でも、ビジネスモデルを含めて提供形態を検討中とのこと。対応プラットフォームは、Android、BlackBerry、Symbian、Windows Mobileで、iPhone/iPadは2011年に対応する予定だ。

企業におけるメリット対応プラットフォーム
スマートフォン側の画面イメージ(ウイルス対策機能)管理画面イメージ
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