日本HP、ネットワーク仮想化対応を強化したサーバーブレード2製品

ネットワーク仮想化モジュールも強化、FCoE対応製品を提供


 日本ヒューレット・パッカード株式会社(日本HP)は15日、ネットワーク仮想化機能の利用に適したサーバーブレード「HP ProLiant BL465c G7」「同 BL685c G7」を発表した。前者がハーフハイトモデル、後者がフルハイトモデルで、いずれも、次世代イーサネット対応のネットワークポートを2基備えている。また今回は同時に、ネットワーク仮想化オプション「HP BladeSystem c-Class バーチャルコネクト FlexFabricモジュール(以下、FlexFabricモジュール)」も発表された。

 日本HPでは、リソースを仮想化して1つにプールし、そこから必要に応じて出し入れする「Converged Infrastructure」というビジョンを提唱している。そして、このビジョンを実現するための要素の1つとして、「HP バーチャルコネクト」製品を提供してきた。

 HP バーチャルコネクトは、10Gigabit Ethernet(GbE)ポートを最大4つに分割できるネットワークの仮想化技術を搭載。このほか、各仮想ポートの帯域を自由に設定する機能、ID設定を仮想化する機能、一度だけの物理配線でLAN/SANへの結線を自由に指定・変更できるワイヤーワンス機能などを備えている。

 一方、イーサネットを拡張し信頼性を高めたConverged Enhanced Ethernet(CEE)と、CEEをインフラとして用いてFCプロトコルをやりとりするFibre Channel over Ethernet(FCoE)によって、SANとLANのネットワークを統合しようとする動きが業界でも進んできた。これは、CEEを統一インフラに利用すれば、FCとLANで別々に用意してきたケーブルを1つにまとめられ、配線にかかわるコスト・手間を削減できるためだ。

HP バーチャルコネクトの特徴CEEとFCoEを持ちいたネットワーク統合

 日本HPが今回発表したFlexFabricモジュールは、これまでのHP バーチャルコネクト製品の機能を踏襲しながら、イーサネット、FCoE、高速iSCSIといったマルチプロトコルに対応。ネットワーク統合と柔軟なネットワークの運用を可能にしている。またFCoEの利用時には、FCoEゲートウェイ機能によって、ほかのFCoEゲートウェイ製品を介することなく、既存のイーサネットとFCストレージのネットワークを直接接続できる点も特徴という。

 なおFlexFabricモジュールでは、1つの10GbEポートを仮想的に分割する場合、従来サポートしていたNIC×4に加えて、NIC×3とiSCSI HBA×1、NIC×3とFCoE HBA×1といった構成がとれるようになっている。このことから、インダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部の木村剛氏は、「将来どのようなアダプターやストレージにつなぐかを考えずに、導入が可能なため、(ネットワークの)リソースプール化を効率的に実現できる」と、その効果を説明した。

FlexFabricモジュールインダストリースタンダードサーバー事業本部 製品マーケティング本部 製品企画部の木村剛氏

ネットワーク仮想化を効率的に利用できる新ブレードサーバー

FlexFabricモジュールと新ブレードサーバーを組み合わせれば、効率的なネットワークの仮想化が実現できる
BL465c G7では、ユニークなスライド式ドライブベイを採用することにより、ホットプラグHDDと大容量メモリを両立させている

 また、FlexFabricモジュールと標準で連携できるサーバー側製品が、BL465c G7、BL685c G7の両サーバーブレードになる。いずれも、10GbE CEE×2を備えたCNA(Converged Network Adapter、イーサネットにおけるNICに相当)を搭載し、FlexFabricモジュールとHP バーチャルコネクトが提供するインターフェイスの仮想化などの各機能を利用することができる。

 もちろん、ネットワーク機能だけでなく、サーバー自体の性能も従来製品よりも強化されている。

 2ソケットのハーフハイトモデルであるBL465c G7では、「前世代の『BL465c G6』が備えているHDDのホットプラグ機能と、『BL495c G6』が備えている16メモリスロット(最大256GB)搭載といった、従来サーバー製品のいいところ取りによって、ハーフハイトモデルの最高峰といえるモデルになった」(木村氏)とのこと。CPUは、Opteron 6100番台を利用可能で、12コアのOpteron 6174(2.2GHz)を搭載すれば、最大24コアまで拡張される。

 一方、4ソケットのフルハイトモデルであるBL 685c G7は、32メモリスロットに最大512GBのメモリを搭載可能。CPUはBL465c G7と同様のOpteron 6100番台で、Opteron 6174を搭載すれば、最大48コアまでの拡張を行える。また木村氏は価格面に触れ、「従来の4ソケットサーバーは、本体の価格差に加えてCPUの価格差があったが、共通のOpteron 6100番台を採用したことで、CPUの価格差がなくなり、サーバーの価格差が小さくなった。これによって、4ソケットモデルへの仮想化の集約などがやりやすくなっている」とメリットを強調した。

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