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日本HP、ブレードサーバーの10GbEを効率的に使う新技術「Flex-10」など

コスト削減を推進する施策、大規模な価格改訂も

エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部 マネージャの宮本義敬氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は11月27日、ブレードサーバーでコスト削減を図る新ソリューションを発表した。

 テーマは「省電力」「共有SASストレージ」「ネットワーク仮想化」「価格改定」。それぞれに新製品や新技術、新施策などを展開する。その狙いをエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部 マネージャの宮本義敬氏は、「厳しい経済環境の2008年も、ブレードサーバー出荷台数は前年度比163%と堅調に伸びた。一方で、2009年をどうするかが課題。IT投資が抑制される中、日本HPでも戦略の立て直しが求められている。こうした厳しい経済環境でこそ、維持・メンテナンスなどの守りのコストをいかに削減するかが重要。今回の施策はその実現をめざしたもの」と説明する。


ブレードサーバー新機種で省電力を実現

 まず「省電力」としては、「HP BladeSystem c7000エンクロージャ」用により効率化した電源モジュールを投入。従来品よりも高いAC-DC変換効率を実現し、50%出力時に92%の効率で変換することが可能という。価格は4万4100円。

 加えて、従来と同等性能でありながら、1台あたり最大44W(従来比約25%)の省電力化を実現したブレードサーバー最新世代機「HP ProLiant BL460c Generation 5」をリリース。これにより「システムとしてのブレード」全体での省電力化を実現するとした。価格は38万2200円。12月中旬から出荷開始する。


効率化した電源モジュール HP ProLiant BL460c Generation 5の概要

FCよりも安価なSASベースのディスク共有

エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバプロダクト・マーケティング部の木村剛氏
 「共有SASストレージ」では、ブレードサーバー用の拡張カード「Smartアレイ P700m/256コントローラ」、インターコネクトスロット用の「HP StorageWorks 3Gb SAS BLスイッチ」を新発売。これらと提供済みのSAS接続ストレージ「HP StorageWorks Modular Smart Array 2012sa」を組み合わせることで、ファイバチャネル(FC)よりも安価なSASベースのストレージ共有環境を実現する。

 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 サーバプロダクト・マーケティング部の木村剛氏は「これまで同環境は4Gb/sのFCか、1Gb/sのiSCSIのみでしか構築できなかった。両者には差があり、中間のソリューションがほしいというニーズに応えるのが、今回のSASストレージ共有」と説明した。

 Smartアレイ P700m/256コントローラの価格は3万1500円。HP StorageWorks 3Gb SAS BLスイッチの価格は69万3000円。いずれも12月中旬から出荷開始する。


SASベースのディスク共有を実現するオプション製品を投入 オプション製品群を組み合わせれば、手軽に最大192TBの共有ディスク環境が実現可能という

10Gigabit Ethernetを自由に使える新技術「Flex-10」

 「ネットワーク仮想化」では、ブレードサーバーの10Gigabit Ethernet(GbE)を4つのポートに分割できる「Flex-10テクノロジ」を提供する。c-Classエンクロージャの背面に専用モジュール「バーチャルコネクトFlex-10イーサネットモジュール(以下、VC Flex-10)」を装着すると、ポートを4分割し、それぞれに100Mbpsから10Gbpsまで自由な帯域を設定可能になる。

 例えば、オンボード10Gポート×2を標準搭載する「HP ProLiant BL495c Generation 5(以下、BL495c G5)」であれば、それぞれにVC Flex-10を装着することで、2×4の合計8つのネットワークインターフェイスとして利用が可能。さらに10Gポート×2の増設カードを2枚載せれば、1台のBL495c G5で最大24ポートまで拡張でき、あらゆる用途で十分なネットワークインターフェイスを用意できる。

 木村氏は「ブレードサーバーには2~4の物理ポートが標準搭載されているが、仮想化をはじめ多くの場合、実際にはもっと多くのポートが必要となる。VC Flex-10を使えばネットワークカードを増設することなくポートを増やすことができ、トータルの導入コストを低く抑えることが可能。さらに物理的な作業を行うことなく、Web GUIからポート数や速度設定できるため、構成変更に伴う悩みを解決することができる」としている。

 VC Flex-10の価格は138万6000円。12月中旬から出荷開始する。


Flex-10の概要。10Gの2ポートを平均2.5Gの8ポートとして利用可能 増設カードも併用すれば、1台のBL495c G5で最大24ポートが利用可能となる Flex-10適用後の概念図

189製品におよぶ最大67%引きの価格改定

 さらに導入コストの削減として、サーバー製品の価格改定を行う。189製品におよぶ大規模な価格改定で、ブレードサーバー本体で最大17%引き、バーチャルコネクトで最大19%引き、メモリで最大67%引き、ラックマウント・タワーサーバーで最大33%の値引きとなる。これにより、顧客のIT統合を支援する方針。


今回の施策で国内ブレード市場50%シェアを目指す

 宮本氏は「ブレード市場において当社では2つの約束をさせていただいた。1つが日本HP内におけるタワー型、ラック型、ブレード型サーバーの出荷台数において、ブレードの占める割合を年間20%増加させるというもの。これはおかげさまで達成できた。もう1つが、国内ブレード市場で50%のシェアを獲得するというものだが、現状30%台で未達。ブレードサーバーの伸びは不況でも堅調であり、特にHPCの分野は市況に関係なく伸びている。もう1つ、IT統合の分野でブレードサーバーの伸びが期待されるため、今回のソリューションでこの分野の出荷台数を伸ばし、50%シェアを目指していきたい」と、IT統合市場を拡大する意気込みを見せた。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2009/fy09-014.html

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  ・ 日本HP、ブレードサーバーを国内生産-国内シェア50%を目指す(2007/12/11)


( 川島 弘之 )
2008/11/27 17:17

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