シマンテックホステッドサービス戦略、エンドポイント保護もSaaS化へ


 メッセージラボジャパン株式会社は24日、ホステッドサービス「Symantec Hosted Services」に関する説明会を開催。シマンテックホステッドサービス バイスプレジデントのビヨン・エンゲルハート氏が、戦略やビジョン、導入率、今後のサービスロードマップなどを説明した。


Symantec Hosted Servicesの優位点

シマンテックホステッドサービス バイスプレジデントのビヨン・エンゲルハート氏

 Symantec Hosted Servicesは、メールやWebのパケットが企業に届く前に、シマンテックのデータセンターでフィルタをかけ、不正なものを振るい落とすホステッドサービス。「Skeptic」という人工知能(ヒューリスティックエンジン)を核に、複数層のフィルタをかけることで、検知率99.99997%(2010年第1四半期実績)、アンチスパムの誤検知率0.000007%(同)、アンチウイルスの誤検知率0.000004%(同)という高精度なフィルタリングを実現している。

 2010年5月のスパム率は90.2%、そのうちハイパーリンク付きのスパムが91%、正規のドメインを含んだスパムが30%に上った。エンゲルハート氏は「このことからも、脅威の複雑化が見て取れる。過去のようにメールにマルウェアを添付するのではなく、メールにURLを貼り付け、正規のWebサイトにマルウェアを混入させる。これに対抗するには、密接に絡み合うWebとメールを総合的に保護しなければならない」と脅威の現状を分析。

 「Symantec Hosted Servicesはまさに最適なサービス」とした上で、他社との優位点に言及。「当サービスで2010年第1四半期に阻止した630万のマルウェアのうち、220万はSkepticのみで阻止できた。これはヒューリスティックエンジンにより高度なインテリジェンスの共有が実現しているからだ」とアピール。

 また、「メールセキュリティ市場は統合が進み、特にホステッドサービスでは当社のほか、Trend Micro、McAfee、Microsoft、Google、Websense、Proofpointなどに集約化している。その中でも Symantec Hosted Servicesの売り上げは他社の2倍にも上っている」とした。

脅威の現状サービスの実績。2010年第1四半期に阻止した630万のマルウェアのうち、220万はSkepticのみが阻止できた



堅調な日本、認知度を高めシェア拡大に努める

各国でのSymantec Hosted Services導入率

 Message Labsが始めた同サービスは、英国・豪州・米国で導入率が高い。一方で日本は「まだ開拓段階」(同氏)。現状は10%未満の導入率とのことだが、「この1年足らずで6%から8%へと堅実に伸びている。今後、必要なことは国内での認知度を上げていくこと」とし、「現在28%ほどのシェアを今後2~3年かけて、豪州と同等の40%程度に引き上げていくつもりだ」と国内でのシェア拡大に強気な姿勢を見せた。

 機能的には、まもなくSaaS型アーカイブの提供を始め、2011年にはシマンテックの「Endpoint Protection」も「Hosted Endpoint Security」としてSaaS化していく方針。各エージェントをクラウド上で制御することが可能となる。後者は北米ですでにサービス開始済みで、主に従業員数250名以下の企業を対象にする。

 こうしたSaaS型のホステッドサービスを利用するメリットについて、同氏は「ユーザー側でゲートウェイ製品を設置する必要がなくなるため、自分で管理することもなく、悪意のトラフィックが企業に届く前にふるい落とされるため帯域幅の節約にもつながる。そして、世界中のインテリジェンスを共有することが可能だ」と説明した。

サービスポートフォリオ。新たにアーカイブやエンドポイント保護もSaaS化してラインアップに追加するHosted Endpoint Securityの特徴



国内体制を強化、新たなパートナープログラムも展開

 国内の体制面では、シマンテックホステッドサービス カントリーマネージャの山本誠治氏が、「SMBに向けた強化をアナウンスして以降、中小企業の引き合いが確実に増えている。そこで4月にSMB担当営業、5月にSMB担当マーケティングを増員した。さらに、中堅企業(従業員500名~2500名程度)からの引き合いも増えているので、パートナーやシマンテックとの共同活動を活発にし、営業、セミナー、テレマーケティング、日本に特化したセキュリティレポートの提供などに力を入れる」と説明。

 加えて、紹介ベースのパートナー制度「アソシエイトパートナープログラム」も展開する。同パートナーは顧客にサービスの紹介だけを行い、実際の商談はメッセージラボの営業スタッフが担当、成約となった場合にコミッションを支払うプログラム。地方でのチャネル拡大などを狙う。


メールセキュリティ市場は2~3年でSaaSが主流に

 エンゲルハート氏によれば「ソフト・ゲートウェイによるメールセキュリティ市場は7~10%縮小し、2~3年でSaaS版が30%も成長すると予測されている。日本でもクラウドの認知度が高まるにつれ、Symantec Hosted Servicesの引き合いも増えつつある」という。いち早くホステッドサービスを始めたメッセージラボの一日の長に、シマンテックの組織力を加味して、事業拡大に努める構えだ。

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