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2016年の国内コンサルサービス市場規模は6792億円、「デジタル関連」市場は前年比40.3%増の1200億円規模に~IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は22日、ビジネスコンサルティングとITコンサルティングで構成される「国内コンサルティングサービス市場」の予測を発表した。2016年の同市場規模は前年比4.8%増の6792億円と推計している。

 コンサルティングサービス市場のうち、ビジネスコンサルティング市場の2016年の支出額は前年比7.0%増の3625億円に拡大。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)の支援を中心とする幅広い需要が継続し、大手ファームを中心とする積極的な採用がデリバリー人材の不足を補い、高成長を維持したとしている。

 サービスセグメント別では、2016年は、戦略、財務/経理、業務改善、組織/変革、GRC(ガバナンス、リスク、コンプライアンス)その他の5セグメントの全領域で、前年比6%を超える成長となった。

 IDC Japanでは、コンサルティングサービス市場のうち、クラウド、ビッグデータ/アナリティクス、モビリティ、ソーシャル技術といった「第3のプラットフォーム」の導入/活用に関わるコンサルティング案件を「デジタル関連コンサルティング」と定義。同プラットフォームを通じて提供される、IoTやコグニティブ/AIシステム、ロボティックス、サイバーセキュリティなどの導入/活用に関わる案件も含め、DX支援に関わる市場の支出額は、2016年に前年比40.3%増と非常に高い成長率で拡大し、約1200億円になったと推計している。

 産業分野を問わず経営層におけるDXの重要性の認識が広がったことに加え、業務部門などのより現場側においても、新たな事業モデルや生産性向上のためにデジタル技術の活用を進めることが不可欠となっており、全てのビジネス領域で支援コンサルティングの需要が高まっていると分析。主要ファームはDX支援に向けた人材強化に引き続き積極的であり、サービス提供側の対応力も徐々に拡大していることなどから、2017年以降も高成長を継続。デジタル関連コンサルティング市場は、2016年~2021年の年間平均成長率23.8%で拡大し、2021年の支出額は3484億円に達すると予測している。

国内コンサルティングサービス市場 支出額予測:2016年~2021年(出展:IDC Japan)

 国内コンサルティングサービス市場全体についても、デジタル関連コンサルティングの高成長を背景として、2016年~2021年の年間平均成長率は3.9%、2021年の市場規模は8238億円に達すると予測する。

 IDC Japan ITサービス シニアマーケットアナリストの植村卓弥氏は、「国内企業のDXに対する取り組みが、これまでの先進的顧客層からより主流層の(一般的な)顧客へと拡大する中で、コンサルティング事業者は、最適なデリバリー体制を構築することが求められる。特に、採用と育成を戦略的に進めることや、中長期的には、従来型案件に従事してきた産業別/業務別コンサルタントにおけるデジタル関連案件への対応力を強化することが、より重要になる」と述べている。