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AWS、会話型アプリを構築するためのAIサービス「Amazon Lex」を一般提供

 米Amazon Web Services(AWS)は19日、音声やテキストを使用した会話型インターフェイスをさまざまなアプリケーションに構築できるAIサービス「Amazon Lex」の一般提供を開始した。2016年11月にプレビューとしてリリースしていたが、今回、一般公開した。また、現時点では英語(米国英語)のみのサポートとなる。

 Amazon Lexは、ユーザーと対話しながら処理を進めていくサービスやアプリの開発に利用できるサービス。Amazon Lexにより、天気や最新ニュースの確認、旅行の予約、食べ物の注文、ビジネス・ソフトウェアから最新の営業成績やマーケティングに関する情報の入手、コネクティッドデバイスの管理など、さまざまなタスクを実行できる会話型アプリの開発およびテストが可能になる。

Amazon Lex

 AWSでは、これまで自動音声認識(ASR)および自然言語理解(NLU)機能を備えたアプリを開発、導入し、スケールするには、膨大な量のデータやインフラストラクチャ上で高度な深層学習アルゴリズムを実行するトレーニングが必要で、そうしたスキルを持つ開発者はごくわずかに限られていたと説明。Amazon Lexは、AI音声アシスタント「Amazon Alexa」を支える自動音声認識および自然言語理解機能をフルマネージドサービスとして提供することで、これらの負担を排除し、音声やテキストを使用した会話型のアプリを容易に開発できるようにするとしている。

 会話型アプリを開発するにあたり、開発者はユーザーの意図(航空券の予約など)を言葉にしたサンプルの言い回しと、その意図をAmazon Lexが音声に変換するのに必要な情報(旅行日や旅行先など)、ユーザーから追加情報を導き出すために必要な質問(「いつ旅行に行きたいですか?」「どこに行きたいですか?」など)をAmazon Lexに提供する。

 その後は、Amazon Lexが、ユーザーから入力された音声またはテキストを聞き(または読み取り)、会話の背後にある意図を理解し、会話を管理(「すでに旅行日が分かっていたら、この質問は省き、旅行先を訪ねる」など)する機械学習モデルを自動で構築する。これにより、開発者はFacebook MessengerやSlack、Twilioといった、モバイル/IoTデバイス、ウェブアプリケーション、チャットサービス上に会話型アプリを構築できる。

 また、Amazon Lexは、さまざまなプラットフォームで求められる認証をサポートし、トラフィックの増加に伴い自動で容量を拡張することから、インフラストラクチャのプロビジョニングや管理についての心配もないとしている。

 Amazon Lexは現在、ノースバージニアリージョンで展開されており、AWSマネジメントコンソール、AWSコマンドラインインターフェイス(CLI)、AWS SDKから使用を開始できる。