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NECがユーザーデータ活用基盤ソフトを強化 サービス利用者による柔軟なデータ管理に対応

 日本電気株式会社(NEC)は8日、ユーザデータ活用基盤ソフトウェア「NC7000-3A」のデータコントロール機能を強化すると発表した。通信事業者や官公庁、電力事業者などに向け、4月より提供開始するという。

 NC7000-3Aは、Webサービス実現時に必要となるIDの管理や認証に加えて、IDにひも付くユーザーデータをパートナー事業者などに提供する機能を持つソフトウェア。機能ごとに5つの個別製品(認証/OpenID連携/OpenID Connect連携/SAML連携/OAuth連携)が用意されており、必要に応じたコンポーネントを提供可能という。

 これを利用すると、例えば、サービス利用者のアレルギー、言語などのユーザーデータを飲食店や博物館へ提供でき、飲食店や博物館の側では、利用者のニーズに合ったサービスを提供可能になるとのこと。

 今回の機能強化では、サービス利用者が、自身のユーザーデータとその情報の提供先を管理するVRM(Vendor Relationship Management)という概念に対応できるよう、機能を強化した。

 まず、サービス利用者が自身のユーザーデータの公開可能な範囲を柔軟に設定できるような機能追加を実施した。サービスを提供している事業者とサービス利用者のユーザーデータが連携する際に、サービス利用者が事業者ごとに、自身のユーザーデータの公開可能範囲を設定できるため、利用者のセキュリティ強化と利便性向上を実現するという。

 また、NC7000-3Aで管理しているユーザーデータをサービス利用者が確認・変更できるよう、この製品を導入する事業者が所有するポータルサイトなどとの連携機能が追加された。これにより、サービス事業者は低コストで、ユーザーにとっての利便性や透明性の高い基盤を構築できるとのこと。

 なおNECでは、こうした新機能を利用することで、利便性と安全性を両立したユーザーデータの連携が可能となるため、複数のサービス間でユーザーデータを活用するサービスの創出に貢献できるとアピール。さらに、インバウンドやヘルスケア、スマートホームなどさまざまな分野における、VRMサービスを実現する基盤としても活用できるとしている。

 価格は個別見積もり。NECでは、3年後までに累計で30億円の販売を目標としている。