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IIJグローバル、IoTの要素技術をコンポーネント化し、産業/用途別ソリューションを提供する「CaaS」を開始

 株式会社IIJグローバルソリューションズは7日、IoTシステムの構築に必要な技術をコンポーネント化し、特定業種の用途に応じたIoTソリューションとして提供する事業モデル「CaaS(Component as a Solution)」を開始した。

 IoTシステムを構築する場合には、さまざまな技術を実装する必要があり、端末やネットワーク、集積データの分析処理基盤など、必要となるITリソースも多岐に及ぶ。そのため、企業にとっては、各種ソフトウェアやネットワーク、ゲートウェイ機器、クラウド環境などを個別に調達する必要があり、IoT活用の課題となっている。

 こうした課題に対応するため、IIJグローバルでは、IoTシステムの構築に必要な要素技術とITリソースをコンポーネント化し、各種業界向けソリューションとしてワンストップで提供するCaaSモデルを開発。企業はCaaSを利用することで、産業分野や用途に応じて必要なコンポーネントを組み合わせ、低コストかつ迅速にIoT環境を構築することが可能となる。

「CaaS」のイメージ

 CaaSでは、主要なコンポーネントとして「業界向けプラットフォーム」「ゲートウェイ機器」「ネットワーク」を提供する。

 業界向けプラットフォームでは第一弾として、センサーデータを収集し、クラウド上で保管、表示を行う「各種センサー収集・蓄積・可視化システム」、製造業の現場で制御装置として利用されているさまざまなPLC(Programmable Logic Controller)をクラウド上で共通デバイスとして一元管理し、機種に依存することなくデータにアクセスできる「マルチPLC管理システム」の2種類を用意。今後、デジタルサイネージ用システム、IPカメラ監視システム、総合エネルギー・設備マネジメントシステムの各プラットフォームの提供を予定する。

 装置の稼働状況などのセンサーデータをクラウド上にアップロードするゲートウェイ機器については、各種インターフェイスを提供し、さまざまな装置に対応する。

 ネットワークについては、ゲートウェイ機器とクラウド間をIIJモバイルサービスと顧客専用のプライベートバックボーンサービスを活用した閉域網で接続。インターネットを経由しないセキュアなIoT向けワイヤレスプラットフォームを構築できる。

 各コンポーネントは、IIJグローバルの拠点間ネットワーク構築・運用のノウハウに加え、IIJのネットワークサービスやIIJ IoTサービス、パートナー企業の製品・ソフトウェアを活用することで、例えば、エレベータやタクシー、監視カメラなど、それぞれの産業で利用される異なったプロトコルやインターフェイスにも幅広く対応していく。

 IIJグローバルでは、CaaSを成長事業の一つと位置付け、工場における産業機器の自動制御、ビルのエネルギー設備管理 などの市場をターゲットに、初年度20社、2年目200社の導入を目指す。