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日本ユニシス、オープンなAI関連技術体系「Rinza」を活用した「知的エージェントサービス」を提供開始

 日本ユニシス株式会社は28日、同社がこれまで情報活用ソリューションの提供や研究開発活動で培ってきた人工知能(AI)関連技術と知見を「Rinza」として体系化するとともに、これを活用した「知的エージェントサービス」の提供を開始した。

 Rinzaは、テキスト分析ツール「TopicExplorer」や、データマイニングツール「MiningPro21」といった製品に応用している、自然言語処理、統計解析・将来予測、機械学習や深層学習などのAI関連技術を中心とし、マイクロソフトの認知サービスAPI「Cognitive Services」など、ビジネスエコシステムを構成するパートナーから提供されるクラウドサービスやソフトウェアを取り入れたオープンな技術体系。日本ユニシス総合技術研究所が進めている、人間がコミュニケーションを取るときの前提として共有している背景知識や感覚(コモンセンス)を備えたAI「コモンセンスAI」などの研究開発成果も、Rinzaに順次追加していく予定。

 また、Rinzaの適用分野を、「新サービスの創出」「コアビジネスの高度化」「オフィスワークの生産性向上」「安心安全な社会づくり」の4つと捉え、それぞれに応じた適用支援サービスを提供していく。顧客企業や団体は、Rinzaの各種サービスを利用することによって、自らに適したイノベーションや課題解決策を速やかに実現できる。

日本ユニシスのAI関連技術体系「Rinza」
AI関連技術の適用分野

 「知的エージェントサービス」は、日本ユニシスのAI関連技術体系のうち、知的エージェントの要素となる技術をあらかじめ連携・統合して提供するもの。さまざまな機械学習エンジンを適材適所に組み合わせて、人間が行うような「認識」「理解」「判断」「行動」を実現。人との対話を通じて知識の集積と活用を行うことができ、コールセンターやヘルプデスクの自動応対や要員支援、店舗における売場案内、SNSの自動応答チャットなど、顧客との多様なコミュニケーション接点に応じた知的エージェントを導入できる。

 人にやさしい自然なインターフェイスとして、音声認識技術を使って発言を理解し、それに対する回答も音声合成技術を使って声で行うことで、コンピュータの扱いに慣れていない人も自然なやり取りができる環境を提供。自然言語処理による会話意図の把握が可能で、日本ユニシスが20年以上に渡って培ってきた自然言語処理の技術とメンテナンスやチューニングが容易な環境を活用することで、高度に会話意図を推定し、内容の把握を行う。

 また、多様なデータソースに基づく知識ベースを持ち、自組織に蓄えたデータ、IoTから得られるリアルタイムデータ、行政機関や企業が公開するオープンデータなど、多様なデータを組み合わせ、課題解決のための知識ベースとして活用が可能。機械学習による応対能力の向上が可能で、人との対話の結果を継続的に学習し、新たな知識として生かすことで、さらに質の高い回答や推奨を行うよう成長する。

 日本ユニシスでは、知的エージェントサービスについて、検討フェーズから構築、運用まで顧客企業の導入を支援。関連支援サービスも含め、今後3年間で20億円のビジネス規模を見込む。