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富士通、PostgreSQLベースのデータベース新製品「Enterprise Postgres」

暗号化やインメモリ高速化技術などを実装

 富士通株式会社は11日、オープンソースソフトウェア(OSS)データベースの「PostgreSQL」をベースに、セキュリティや処理性能、信頼性を向上する富士通の技術を実装した製品「FUJITSU Software Enterprise Postgres(以下、Enterprise Postgres)」を、国内向けに販売開始した。

 Enterprise Postgresには、富士通が独自開発・提供してきたデータベースソフトウェア「FUJITSU Software Symfoware Server」で培った透過的データ暗号化技術を実装。これにより、ユーザーが従来使用していたデータベースからEnterprise Postgresへ移行する際、アプリケーションを改修することなくセキュリティを強化できる。また、ユーザーデータだけでなく、トランザクションログ(WAL:Write Ahead Logging)や一時ファイル、バックアップデータも含めて一括した暗号化が行える。

 また、株式会社富士通研究所が開発した、インメモリによる高速化技術を実装。データの更新処理に適した格納方式(ロー型)でデータを格納しているPostgreSQLに対し、分析に適した格納方式(カラム型)のデータを扱うことが可能になるため、カラム型インデックスによる高速分析を行うことが可能となり、既存の業務処理に影響を与えることなく、分析結果をビジネスへ素早く反映できる。

 さらに、データベース内の大量データを扱うバッチ処理時間などを短縮できる、並列検索を実現。検索・集計処理を複数のCPUコアに分散させて処理を行えるだけでなく、CPUの負荷状況に応じて最適な並列数を自動で決定できる独自の機能を追加した。これにより、CPUに余裕がない場合にはサーバーの過負荷を回避するために並列化を行わず、CPUに余裕がある場合は並列数を自動で増加でき、CPU性能を最大限に引き出した検索処理の効率化と安定稼働の両立が可能となる。

 PostgreSQLを始め、その活用に必要な各クライアントモジュールや運用ツールなどの周辺OSS、contribモジュール(49種類)を一括で提供することにより、PostgreSQLを導入する際に必要となる、周辺OSSごとのライフサイクルやサポートの考慮が不要となる。

 導入・運用やトラブル発生時における24時間365日の技術サポートも、長期にわたって保証する。製品は、OSSのニーズが高い海外にて先行販売し、21カ国で商談を進めており、今回、国内でも販売開始したという。

 製品のラインナップと標準価格(税別)は、Enterprise Postgres 9.5 Standard Editionが1コアあたり年額21万2000円、Enterprise Postgres 9.5 Advanced Editionが1コアあたり年額114万円。出荷時期はいずれも11月末。サーバーの動作環境は、Red Hat Enterprise Linux 7/6、Windows Server 2016/2012 R2/2012/2008 R2/2008。