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稼働音から設備機器の異常を検知、NTTデータがIoTを用いた予防保全ソリューションを提供

 株式会社NTTデータは3日、稼働音から設備機器の異常を検知するIoTソリューションを提供開始すると発表した。11月より提供開始する。

 このソリューションは、NTTグループの異常音検知技術を活用し、工場などにある設備機器の稼動音をリアルタイムで収集・解析することにより、設備機器の異常の検知や故障の予兆となる、稼動音の変化を検知するもの。大きな故障につながる前の対応をうながすことで、機器の適切な予防保全に貢献できるという。

 具体的には、NTT研究所の異常音検知技術を用いてNTTデータが開発した「稼動音解析システム」を利用。正常時の稼動音を事前に覚えさせておくことにより、正常稼動音と、設備機器に設置したマイクから実際に取得した稼動音の乖離度合いを判定し、これまでに検知したことがない異音を高い精度で検出する。

 周辺騒音の抑制が可能なため、騒音が多い工場などの現場でも適用できるほか、リアルタイム解析処理でタイムリーな異音検知を行えることから、大きな故障につながる前に、速やかな対応を実施できるとした。なお、監視対象の稼動音データをクラウドに集約することにより、複数拠点に設置された多数の設備機器の状況を、遠隔から一元監視可能な点も特徴だ。

 また、ソフトウェアによる音響解析を実現しているので、市販の汎用機器(マイク+PC)があれば、高価な音響解析専用機を用意することなく運用可能で、コストを抑えられる点がメリット。さらに、マイクを設置できる環境であれば機器を問わず対応でき、既存の設備機器にも導入を行えるとしている。

 なお今後は、機器の稼動音データに加えて、保全ログデータや稼動ログデータも取得する機能を強化する考え。また、3つのデータを組み合わせてデータ分析を行い、AIなどの技術と組み合わせることで、より精度の高い予防保全が可能となるIoTソリューションを実現するとのこと。