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NII、大学・研究機関におけるクラウドの利活用拡大を促進する「学認クラウド 導入支援サービス」

 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所(以下、NII)は20日、大学・研究機関におけるクラウドの利活用拡大を促進する「学認クラウド 導入支援サービス」の正式提供を開始した。

 「学認クラウド 導入支援サービス」は、クラウドサービスを導入する大学・研究機関と、クラウドサービスを提供する事業者の双方が参加できるサービス。

 NIIでは、大学・研究機関がクラウドサービスを導入する際に確認すべき事項のリスト(チェックリスト)を策定し、このチェックリストに基づいて各クラウド事業者のサービス内容の調査、検証を行う。この結果を、クラウドサービス導入を検討している大学・研究機関に提供するとともに、研究・教育分野におけるクラウドサービスの具体的な利用方法などの情報も体系的に提供していく。

 さらに、NIIがクラウドサービスに対する大学・研究機関のニーズを把握して、クラウド事業者と共有し、大学・研究機関向けのクラウドサービスが拡充されるように働きかけていく。

 NIIでは、大学・研究機関においてもクラウドサービスへの期待が高まっている一方、現時点では大学・研究機関がクラウドサービスを利用する上で必要となる情報や知識、ノウハウの蓄積が不足しており、大学・研究機関に向け商品の普及がこれからであることも課題となっていると説明。「学認クラウド 導入支援サービス」は、こうした課題を解決することで、大学・研究機関におけるクラウドサービスの導入と利活用を推進し、クラウドを活用した高度な学術情報基盤を整備することを目的としている。

 サービスの正式提供に向けては、大学や大学共同利用機関など14のクラウド利用機関と、15のクラウドサービス事業者、NIIが参加する実証実験を、2015年9月~2016年3月に実施。実証実験を通じて、大学・研究機関、クラウドサービス事業者双方の意見を聴取してきた。

 NIIでは従来、「学術情報ネットワーク(SINET)」において、民間の学術向けクラウドサービスとの直接接続環境を提供し、クラウドを大学・研究機関におけるICT基盤として効果的に利活用できるよう支援してきた。今後は、クラウドサービス事業者の協力を得ながら情報や知識、ノウハウを蓄積し、大学・研究機関のクラウドサービスの導入や利活用の支援に活かしていくと説明。また、セミナーの開催などの啓発活動や、参加機関や参加事業者間で情報交換ができるような機会も設ける予定で、今後1年間で「学認クラウド 導入支援サービス」に大学・研究機関100機関の参加を目指す。