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日立と北海道大学、北海道が直面する社会課題解決に向けた共同研究を推進する「日立北大ラボ」を設立

 国立大学法人北海道大学と株式会社日立製作所(以下、日立)は、北海道が直面している少子高齢化や人口減少、地域経済の低迷、地球温暖化などの社会課題解決に向けた共同研究を推進する「日立北大ラボ」を、北海道大学内に6月1日に開設したと発表した。

 北海道では、自然減に加え、進学や就職目的での北海道外への転居などにより4年連続で人口が減少し、現在の人口減少率は全国2位となっている。また、北海道では都市部への人口の一極集中が進むことで、地方の過疎化による深刻な経済停滞に加え、地球温暖化などの環境問題の社会課題も顕在化している。

 北海道大学と日立は、北海道が直面しているこうした課題の解決に向け、両者の取り組みを融合して共同研究を推進するため、日立北大ラボを開設した。

 北海道大学と日立ではこれまでも、独自の先端技術を融合させた陽子線がん治療システムの共同開発や、北海道大学が推進する北大COI(食と健康の達人拠点)事業を通じ、セルフヘルスケアプラットフォーム実現に向けたアプリケーションの開発などに取り組んできた。

 今回開設した日立北大ラボでは新たに、北海道大学電子科学研究所との連携により、社会課題を数学モデルに置き換えて最適解を導出できる新概念コンピューティング技術の開発を推進していく。また、温暖化によって変動する環境が北海道経済に及ぼす影響を多角的に分析することにより、地域の経済発展を実現する方策を共同で研究していく。

 日立北大ラボではこれらの研究テーマを通じ、北海道地域を巻き込みながら、北海道の社会課題に対し、絶え間なくイノベーションを創出するエコシステムの構築を目指すと説明。また、北海道という実社会での実証実験を通じ、日本の他地域でも活用、展開可能なエコシステムを開発、展開し、日本政府が提唱する「超スマート社会」の実現(Society5.0)に貢献していくとしている。