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米HP、コンバージドインフラストラクチャ戦略に基づくストレージ製品群を発表
オールフラッシュストレージ「StoreServ 7450」や仮想ストレージアプライアンスなど
(2013/6/25 11:22)
米Hewlett-Packard(以下、HP)は24日(中国時間)、中国の北京にてアジア太平洋地域向けのプレスイベント「HP WorldTour」を開幕した。アジア各国から北京に集まったメディアは約300人。初日のセッションでは、新たなストレージソリューションが次々と登場した。
HPでは、次世代のインフラを実現する戦略として「HPコンバージドインフラストラクチャ」を推進している。講演の冒頭に登場したHP エンタープライズグループ アジアパシフィック&日本担当 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのJim Merritt氏は、「コンバージドインフラストラクチャにより、速度とシンプル性、効率性の高いインフラが実現し、変動するアジアパシフィック&日本市場で企業の成功に貢献する」と述べた。
Merritt氏は、すでにアジアでHPコンバージドインフラストラクチャによる成果を上げている企業の例として、モバイルペイメントなどの新たな支払い方法を導入するなどしてユーザー数を大きく増加させた台湾のNational Credit Card Center of R.O.C.や、「HP Moonshot System」で9万の医療デバイスを稼働させ、ケーブルを95%削減、システム展開の時間を83%削減した中国のNeusoft Xikang Healthcare Technologyを紹介。「今回発表する製品群で、コンバージドインフラストラクチャをさらに強化する」と述べた。
さまざまなタイプのストレージが登場
今回コンバージドインフラストラクチャ戦略の下で登場した新製品はストレージが中心だ。壇上には、HP アジアパシフィック&日本 ストレージ担当 バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのMike Prieto氏が登場、まず今回の新製品の中でも目玉となるオールフラッシュストレージの「HP 3PAR StoreServ 7450」を発表した。
HP 3PAR StoreServ 7450は、550K以上のIOPS、0.7ミリ秒以下のレイテンシを実現するミッドレンジストレージ。「パフォーマンスが必要な場合に最適だ」とPrieto氏は述べる。
HPでは、ほかにも3PAR StoreServのラインアップとして、低価格帯の「HP 3PAR StoreServ 7200」および「HP 3PAR StoreServ 7400」、2.2PBまでの拡張性を持つハイエンドの「HP 3PAR StoreServ 10400」および「HP 3PAR StoreServ 10800」といった製品をそろえているが、今回発表した7450を含めこれらの製品はすべて同一のOSやインターフェイスを採用している。
Prieto氏は、「このようにシングルアーキテクチャでローエンドからハイエンドまでの製品を提供できるのはHPだけだ。HP 3PAR StoreServにより、過去の投資を無駄にすることなくコスト削減とスピード向上が可能になる」とアピールした。
次にPrieto氏が発表したのは、x86サーバー上で仮想マシンとして展開する「HP StoreOnce Virtual Storage Appliance(VSA)」だ。ソフトウェアで定義された仮想ストレージアプライアンスのため、ハードウェアコストの削減が可能で、クラウドバックアップサービスの展開も可能だという。
Prieto氏は、StoreOnceシリーズもシングルアーキテクチャを採用している点を強調、「StoreOnceシステム上のさまざまな規模のデータセンター間でデータのやり取りが可能だ」とした。
続いてPrieto氏が紹介したのは、テープストレージの「HP StoreEver MSL6480 Tape Library」だ。Prieto氏は、「テープ対ディスクというのは常に議論されるが、これらはどちらか一方がいいというものではなく、お互いを補完するものだ。どのような環境で、どうやって実装するかが重要になる」とした。
Prieto氏は、「HPはこれからもコンバージドインフラストラクチャ戦略の下、ストレージ製品を強化する。今後のコンバージドインフラストラクチャ戦略の実効性に期待していてほしい」と述べた。