イベント

【Interop 2013】シスコ、ブロケード、日立電線、アラクサラ、A10などが最新ソリューションを展示

 ネットワーク技術に関するイベント「Interop Tokyo 2013」の展示会が幕張メッセで6月14日まで開催されている。通信機器ベンダー各社のブースでは、それぞれの最新ソリューションが展示されている。

シスコのプログラマブルなネットワーク「Cisco ONE」

 シスコシステムズのブースでは、SDN(Software Defined Networking)などネットワーク管理のプログラマビリティのアプローチ「Cisco ONE」に関連した展示が多くなされている。

 SDNに関しては、オープンソースのSDNコントローラ「OpenDaylight」をベースにした「Cisco XNC(Extensional Network Controller)」をデモ。また、IOS機器をAPIでプログラムする「onePK(One Platform Kit)」もデモしている。この2点については、SDN ShowCaseでも展示されている。

 また、ソフトウェアベースのスイッチ「Nexus 1000V」のHyper-V対応やKVM対応も展示して、マルチハイパーバイザー対応をアピール。さらに、Nexus 1000VでVXLANを使ったVirtual Overlayもデモしている。

 そのほか、データセンター運用管理の自動化として、サーバーやネットワーク、ストレージなどのリソースをカタログ化してテンプレートを作る「UIC(Unified Infrastructure Controller)」なども展示している。

SDNコントローラ「OpenDaylight」をベースにした「Cisco XNC」
SDN ShowCaseでのシスコのデモ機器
Cisco IOS機器をAPIでプログラムする「onePK」
ソフトウェアベースのスイッチ「Nexus 1000V」のHyper-V対応
「Nexus 1000V」のKVM対応
Nexus 1000VによるVirtual Overlayのデモの説明
リソースをカタログ化してデータセンターの運用管理を自動化する「UIC」
データセンター間でL2を延伸して1つのデータセンターとするOTV(Overlay Transport Virtualization)の説明
SANスイッチMDS9710
Nexus 6000/7000シリーズ

ブロケードのファブリックの利用例やソフトウェアルータVyattaのデモ

 ブロケードのブースでは、隣り合ったSDN ShowCaseに関連して、SDN関連を展示。OpenStackでの仮想サーバーの作成などにイーサネットファブリックによる仮想ネットワークを連動させるデモや、ソフトウェアルータ「Vyatta」によって動的にVPNでつないだり切ったりするデモを展示していた。

 また、「Build Your Own Ethernet Fabric」と名付けて、ネットワークカメラから映像を流しながら、4つのスイッチに好きにケーブルを抜き刺しさせて、構成が変わったりループを構成するような接続が作られたりしても問題なくネットワークトラフィックが流れ続けるとことを見せていた。

OpenStackでの仮想サーバーの作成等にイーサファブリックによる仮想ネットワークを連動させるデモ
ソフトウェアルータ「Vyatta」によって動的にVPNでつないだり切ったりするデモ
SDN関連のデモに使われている機器
ネットワークカメラから映像を流しながら、4つのスイッチに好きにケーブルを抜き刺しさせる、ファブリックのデモ
ADC(ロードバランサー)「ADX 1000」
SDNに対応した「NetIron CER/CES」
コアルータ「MLXシリーズ」向け40GbEモジュール
データセンタースイッチ「VDX 8770-4」

ジュニパーの10Gやモバイル基地局ネットワーク、SDN

 ジュニパーネットワークスのブースでは、「仮想化」「サーバー攻撃」「BC/DR」といったキーワードごとにソリューションを展示している。

 10G化のテーマでは、今年から販売を開始したスイッチ「EX4550」を展示。EX4500の2Uから1Uサイズとコンパクトにし、10GBASE-Tポートを全面に32ポートを備え、サーバーの10GbEが対応するのに向けて10GbE導入の敷居を下げるという。バーチャルシャーシやLAGにも対応する。

 モバイルに向けては、モバイルバックホール(携帯基地局とパケットコアを接続するネットワーク)向けに作られた、サイズや動作条件、消費電力などの要求の厳しいルータ製品などを展示。PTX3000は、InteropのBest of Show Awardのキャリア/SP ネットワーキング部門で特別賞を受賞した。

 また、SDN ShowCaseでも展示。「SDNによるMPLSネットワークの最適化」、SDNコントローラ「JunosV Contrail Controller」、Junos搭載機器をRESTful APIで制御する「Junos Space SDK」を紹介している。

ジュニパーのブースはキーワードごとにソリューションを展示
10GBase-Tポートを32ポート備えた1Uのスイッチ「EX4550」
EXシリーズ
シャーシ型コアスイッチ「EX9208」
QFabric対応製品
モバイルバックホール向けルータ「PTX3000」
モバイルバックホール向けルータ「ACX1000」
モバイルバックホール向けルータ「MX104」
SDN ShowCaseでの展示「SDNによるMPLSネットワークの最適化」
Junos搭載機器をRESTful APIで制御する「Junos Space SDK」
SDNコントローラ「JunosV Contrail Controller」

日立電線、100GbEを対象とするSDN-WANの実験

 日立電線のブースでは、通信事業者向けの100G/40Gイーサネットスイッチ「Apresia 26000シリーズ」を展示している。5月30日に発表した製品で、9月に販売開始予定。特にモバイルバックホールや広域イーサネット網を対象にしているという。50ミリ秒以内の切りかえが可能な冗長化機能や、Ethernet OAMなどに対応している。

 同時に、Apresia 26000シリーズを想定し、通信事業者の閉域WAN回線をOpenFlowによるSDNで制御する「SDN-WAN」の実験についても展示している。ストラトスフィアとの共同技術検討であり、OpenFlow 1.3の機能を使ってVLANとMPLSの間でラベルを付けかえるといった手法によりWANでのオーバレイネットワークを構成する。これにより、コスト競争の厳しい通信回線の運用コストを下げるのが狙いだという。

 実験や会場デモでは、Apresia 12000にOpenFlow 1.3.2対応機能(試作)を組み込み、ストラトスフィアのStratosphere SDN Platform(SSP)により制御している。その成果をApresia 26000シリーズに移植していく予定。

日立電線の通信事業者向け100G/40Gイーサネットスイッチ「Apresia 26000シリーズ」
WANをOpenFlowで制御する「SDN-WAN」の実験。日立電線とストラトスフィアの共同技術検討

 そのほか、イーサネットファブリック「BFS(BoxCore Fabric System)」対応スイッチや、多数のスイッチを1台のように管理できる「Virtual BoxCore」、低コスト型スイッチ「ApresiaLight」のPoE給電対応機種などを展示している。

イーサネットファブリック「BFS(BoxCore Fabric System)」対応スイッチ
多数のスイッチを1台のように管理できる「Virtual BoxCore」
低コスト型スイッチ「ApresiaLight」のPoE給電に対応した新機種
ボックス型スイッチBoxCoreの新ラインアップの参考出展

アラクサラのクロスオーバー型スイッチ

 アラクサラのブースでは、シャーシ型の拡張性とボックス型のサイズを備えた「クロスオーバー型」スイッチ「AX4600Sシリーズ」の「AX4630S-4M」を展示している。6月5日に発表された製品で、2013年度下期からの出荷を予定。2Uのサイズに、同社のシャーシ型スイッチと同様のインターフェイスモジュールを4つ搭載し、高度なプロトコル処理をプログラマブルエンジンで実装したサービスモジュールも組み込める。

 また、100Gイーサネットに対応した通信事業者向けエッジルータ「AX8600Rシリーズ」を展示。IPv4/v6、IP in IP、MPLS、MAC in MACを処理するプログラマブルエンジンのPE-NIFにより、往復で合計200Gbpsの転送速度をデモしている。

アラクサラの2Uでモジュールにより拡張できる「クロスオーバー型」スイッチ「AX4600Sシリーズ」
エッジルータ「AX8600R」で、IPv4/v6、IP in IP、MPLS、MAC in MACの往復で合計200Gbpsの転送速度をデモ
IP in IP、MPLS、MAC in MACを処理するプログラマブルエンジンのPE-NIF
転送速度の測定

Fortinetの高速なセキュリティアプライアンス

 Fortinetのブースでは、InteropのBest of Show Awardのセキュリティ部門グランプリを受賞した「FortiGate-3600C」など、UTMアプライアンス製品「FortiGate」を主に展示している。2種類のASICを複数搭載することにより、ファイアウォールやIPS、アンチウイルス、VPNなどで高速なパフォーマンスを出すという。なお、ShowNetでサーバー攻撃を検知しグラフィック表示する「NIRVANA改」でも、ShowNetにIPSとして設置されたFortiGateのログが使われているという。

FortinetのUTMアプライアンス製品「FortiGate」
ShowNetのラックに設置されたFortiGate

A10、新ブランド「Thunder」製品を展示

 A10ネットワークスは、5月に発表されたADC(ロードバランサー)の新ブランド「Thunder」の製品「Thunder 6430」を展示している。特にスループットのパフォーマンスを前面に出してデモをしている。なお、InteropのBest of Show Awardのパフォーマンスオプティマイゼーション部門で特別賞を受賞した。

 また、ブースとSDN ShowCaseで、OpenFlowとADCを協調させる「SDNスケールアウトソリューション」をデモしている。仮想ADCを複数動かすAX-V 300とOpenFlowネットワークを組み合わせることで、冗長化をコントロールする。また、オーバレイネットワークのゲートウェイ機能についても展示している。

A10ネットワークスのADC新製品「Thunder 6430」。パフォーマンスを前面に出してデモ
OpenFlowとADCを協調させて冗長化をコントロールする「SDNスケールアウトソリューション」
SDN ShowCaseでの展示

F5、ADCの各分野への応用

 F5ネットワークスのブースでは、同社のADC製品によるソリューションについて、「Telecom」「Security」「Cloud」「SDN」「Mobile」の分野別に紹介している。

通信事業者向けのキャリアグレードNATなど
Webアプリケーションファイアウォール「F5 BIG-IP ASM」
クラウドとADC
BIG-IP APMとモバイル端末管理の組み合わせ

(高橋 正和)