NTTデータ、ビットアイル、サイボウズなどが最新ソリューションを展示~OpenFlowやOpenStack関連も
「クラウドコンピューティングEXPO 秋」会場レポート
「Japan IT Week 2012秋」が、千葉県の幕張メッセで開催されている。「クラウドコンピューティングEXPO 秋」「情報セキュリティEXPO 秋」「Web&モバイルマーケティングEXPO 秋」「スマートフォン&モバイルEXPO 秋」の4展示会からなり、会期は10月28日までの3日間だ。
「クラウドコンピューティングEXPO 秋」を中心に、ブースでの展示をレポートする。
■NTTデータ、OpenFlowを統合運用管理ソフトウェアで制御
NTTデータのブースでは、サーバーの仮想化技術と、ネットワーク技術「OpenFlow」、同社の統合運用管理ソフトウェア「Hinemos」を組み合わせた実験について、デモとともに展示している。
OpenFlowは、複数のスイッチをコントローラで制御し、ネットワーク構成を柔軟に設定する技術。NTTデータでは、Hinemosに「Hinemos OpenFlowオプション」(2012年4月リリース予定)を組み込むことで、Hinemosの管理画面上で論理ネットワーク構造をグラフィカルに設定できるようにする。
さらに「Hinemos VM管理オプション」(OpenFlowオプションと同時にリリース予定)を組み合わせることで、例えば仮想サーバーをライブマイグレーションによって別の物理マシンに移動したときに、VLANなどのネットワーク構成を同時に変更できるようにするという。
OpenFlow対応システムの展示 | OpenFlow対応システムをデモしている機器 |
HinemosでGUIから論理ネットワークを構成したり、仮想サーバーの移動に合わせて構成を変更したりする |
■ビットアイル、OpenStackの実証実験について展示
ビットアイルのブースでは、クラウド基盤技術「OpenStack」の実証実験などについて展示している。OpenStackは、AmazonのAWS相当のクラウド基盤ソフトウェアを開発するオープンソースプロジェクトで、NASAとRackspaceの技術が元になっている。
ビットアイルではサービス基盤として使うための評価として、ミドクラと共同で実証実験を実施。2011年にリリースされたOpenStackの最新バージョン「Diablo」をベースに、仮想ネットワーク技術としてミドクラのOpenFlowベースの技術を、ストレージとして分散ファイルシステムCephを組み合わせて実験した。
ビットアイルでは、実験を経たOpenStackの課題として、まだ開発途上であること、特に統合認証や仮想ネットワーク、ブロックストレージ技術、自動化ツールなどの未成熟などを上げている。
OpenStackの実証実験プロジェクトの説明 | OpenStackの実証実験のデモ |
ビットアイルのOpenStackへの取り組み | OpenStackの実証実験の構成図 |
■サイボウズ、ガルーン新版やKintoneなどをデモ
サイボウズのブースでは、「サイボウズ ガルーン」の新版(2011年冬リリース予定)とデータベースアプリケーションサービス「Kintone」(2011年秋リリース予定)を中心に、「サイボウズOffice 9」「サイボウズLive」「KUNAI」「サイボウズ リモートサービス」と6製品を展示している。
ガルーン新バージョンでは、さまざまなプロジェクトごとの連絡や議論、TODOなどを「スペース」に集約するほか、業務アプリケーションと連携したり、スケジュールからWeb会議に直接招集したりできる様子がデモされた。
「E-mailを超えるビジネスコミュニケーション」をうたう「サイボウズ ガルーン」の新版(2011年冬リリース予定) |
ノンプログラミングでデータベースアプリケーションを作れるクラウドサービス「Kintone」(2011年秋リリース予定) |
■KDDI研究所、モバイル関連のセキュリティ技術を紹介
「情報セキュリティEXPO」のKDDI研究所のブースでは、モバイル関連のセキュリティ技術を展示し紹介している。
「Androidセキュリティ」と題した展示では、au独自のAndroidマーケットで使われている、危険なアプリケーションを検出する技術を解説している。人間が数十分アプリケーションを使う間の挙動を記録し、その情報をサーバー上で分析することで、アプリの用途に対して過度の権限を要求していないか、電話番号を送信するなどの危険な動作をしないか、悪意のある相手に情報を送信していないか、などをチェックするという。
「有害コンテンツ識別システム」は、NICTの委託研究。Webなどのコンテンツを、URLや言葉のほか、ページの背景やタグの使い方など見た目の癖も含めて認識し、有害コンテンツかどうかを高い確率で自動判定するという。実証実験は2011年12月末まで行われている。
そのほか、シンクライアントやセキュアオンラインバックアップ、SDカード暗号化などのセキュリティ技術が展示されている。
au独自のAndroidマーケットで使われている、危険なアプリケーションの検出技術 |
NICTの委託研究による有害コンテンツ識別システム。コンテンツの見た目の癖も参考に高い確率で判定するという |
■Droboの企業製品を展示
混在ハードディスクでRAIDを実現する製品「Drobo」の総代理店である国際産業技術株式会社のブースでは、企業向けDrobo製品を展示している。
DroboB800iは仮想化クラスタ向けのiSCSIストレージ製品で、サーバーやVMware製品といっしょにパッケージ化した製品も用意されている。DroboB800fsはNAS製品で、会場ではレプリケーション機能であるDrobo Syncと合わせてデモされていた。
仮想化クラスタ向けiSCSIストレージ「DroboB800i」 |
NASストレージ「DroboB800fs」と、レプリケーション機能Drobo Sync |
■Akamaiやデルなど各社展示
Akamaiのブースでは、CDN技術「Dynamic Site Accelerator」「Web Application Accelerator」について説明している。
AkamaiのCDNサービスの展示 |
「クラウドコンピューティングEXPO」と「情報セキュリティEXPO」にまたがって設けられたマクニカネットワークスのブースでは、ファイアウォールやロードバランサ、攻撃検知、URLフィルタ、ウイルス対策、VPNなど、ネットワークセキュリティに関する幅広い製品が展示されている。
マクニカネットワークスのブースではネットワークセキュリティに関する幅広い製品を展示 |
デルとインテルの名が掲げられたブースでは、デルのサーバーやストレージ製品などが展示されている。
デルとインテルのブース。サーバーやストレージ製品を展示 |
そのほか、さまざまなサービス事業者が自社サービスを展示している。
NTT PCコミュニケーションズのブース。データを全国7カ所に分散して保存する「WebARENA秘密分散ストレージサービス」などを展示 | NECビッグローブのブース。企業向けサービス「BIGLOBEビジネスサービス」を紹介 |
カゴヤ・ジャパンのブース | SaaSesブランドの日本ラッドのブース |
at+linkのブース。ソーシャルアプリ向けの「at+linkアプリプラットフォーム」などを展示 |
■IT資産管理の展示が各社から
「情報セキュリティEXPO」から「スマートフォン&モバイルEXPO」にかけて、コンピュータやモバイル端末などと、その使われかたを管理するIT資産管理のソリューションが多数目についた。
日本ベリサインのブース。スマートフォン管理や認証の製品を展示 |
サイバートラストのブース。スマートフォン管理や認証の製品を展示 |
日立製作所のブース。PC管理ツール「Director」を展示 | インターコムのブース。資産管理ツール「MaLion3」を展示 |
エムオーテックスのブース。資産管理ツール「LanScope Cat6」を展示 |