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無線LANから仮想ルータ、クラウド、SDNまでシスコの最新ソリューションが一堂に

Interop Tokyo 2015レポート

 「Interop Tokyo 2015」のシスコシステムズのブースでは、キャリアグレードの仮想ルータから、IEEE 802.11ac Wave2対応製品、カテゴリ5eで5Gpbsの対応スイッチ、Web会議とビデオ会議の統合、クラウドの相互接続、ACIなど、幅広い分野にわたって展示がなされた。また、クラウドでネットワークを統合管理する「Meraki」は、今風のデザインの製品と展示で、ブースの中でも異彩を放っていた。

キャリアグレードの仮想ルータ「Cisco IOS XRv 9000」

 サービス事業者向けソリューションのコーナーでは、キャリアグレードの仮想ルータ「Cisco IOS XRv 9000」をデモしていた。キャリア向けルータ相当の機能をx86上のソフトウェアで実現したもので、IOS XRベース。今年3月に発表された。

 ソフトウェアでキャリアグレードの高機能と高性能を狙った製品。アーキテクチャとしては、Intel DPDKベースのデータプレーン、コントロールプレーン「IOS XR Control」、管理する「Admin」の3つのプレーンが、それぞれLinuxコンテナとして分離されている。スケーラブルな構成では、3つのプレーンを別々のマシンで動かす構成も考えているという。

 なお、Cisco IOS XRv 9000は、Best of Show Awardのキャリア/ISPネットワーキング部門で準グランプリを受賞した。

Cisco IOS XRv 9000を操作しているところ
Cisco IOS XRv 9000のアーキテクチャ。Linuxコンテナとして3つのプレーンを分離

 サービス事業者向けとしてはそのほか、Evolved Services Platform(ESP)が紹介されていた。ESPは、セルフサービスポータル上のサービスカタログから機能を選ぶと、NFVやSDNによりネットワークサービスが構成できるというものだ。

 また、Arbor Networks社との協業によるDDoS対策についても展示。Arbor Peakflow TMSをCisco ASR 9000のVirtualized Service Module(VSM)ラインカードに実装することで、コアではなくエッジでDDoSパケットを緩和する。

セルフサービスポータルからネットワークサービスを構成できる「Evolved Services Platform(ESP)」
ASR 9000のVSMでArbor Peakflow TMSを動かしエッジでDDoSを緩和する

IEEE 802.11ac Wave2対応製品が初登場

 エンタープライズ向けのコーナーでは、企業の拠点向けの製品などが展示された。

 Wi-Fi関連の製品としては、最大3.5Gbpsの次世代規格IEEE 802.11ac Wave2に対応したアクセスポイント「Cisco Aironet 1850シリーズ」が展示された。今月開催されたイベント「Cisco Live 2015」にあわせて発表された新製品。なお、Best of Show Awardのモバイル&ワイヤレス部門の準グランプリを受賞した。

 また、Aironetに取り付けて、クライアントの位置を誤差1mで判定できるようにする「Cisco Hyperlocationモジュール」も展示。これもCisco Live 2015にあわせて発表された新製品だ。なお、Best of Show Awardのモバイル&ワイヤレス部門のグランプリを受賞した。

 無線関連ではそのほか、野球場でエリアをオーバーラップさせず効率的に無線LANサービスを提供するのに使われているスタジアムアンテナ/アクセスポイントや、カンファレンスホール向け無線アンテナ、一元管理や状態の可視化に対応した小規模拠点向け無線LANコントローラなどが展示された。

IEEE 802.11ac Wave2に対応したアクセスポイント「Cisco Aironet 1850シリーズ」
Aironetのまわりに装着されているのが、クライアントの位置を誤差1mで判定できるようにする「Cisco Hyperlocationモジュール」
無線LANコントローラ「Cisco 2504」

カテゴリ5eで5Gbpsを実現する「NBASE-T」対応スイッチなど

 エンタープライズ向けのコーナーではまた、「NBASE-Tアライアンス」の技術に対応したスイッチを展示していた。これは、カテゴリ5eなどのメタルケーブルで5Gbpsの通信に対応する技術。そのため、IEEE 802.11ac Wave2の通信速度にも対応できるという。

 展示では、新製品のコンパクト型スイッチ「Cisco Catalyst 3560-CX」や、アクセススイッチ「Cisco Catalyst 3850」の対応製品でデモ。対応製品は7月から販売するという。なお、なお、Best of Show Awardのエンタープライズ/SMBネットワーキング部門の審査員特別賞を受賞した。

カテゴリ5eのケーブルで5Gbpps通信に対応するNBASE-Tと対応スイッチの展示

 同じコンパクト型スイッチ「Cisco Catalyst 3560-CX」は、参考出展の「Cisco Catalyst 6840-X」(夏〜秋ごろ発売予定という)と並べても展示された。両者ともInstant Accessクライアントに対応し、ディストリビューションスイッチのInstant Accessペアレントと組み合わせて複数台を1つの論理スイッチとして構成できる。3560-CXによってコンパクト型スイッチがInstant Accessに対応した。

 なお、コンパクト型スイッチ「Cisco Catalyst 2960-CX」も同時に展示。3560-CXと同タイプの筐体だが、Instant AccessやL3ルーティング、SFP+アップリンクには非対応。

Instant Accessに対応したCisco Catalyst 6840-X/Cisco Catalyst 3560-CXと、L2スイッチのCisco Catalyst 2960-CX

 拠点向けルータとして、サービス統合型ルータ(ISR)のCisco 4000シリーズも展示。4000シリーズではマルチコア化によってルーティングにその他の機能が影響を与えないようになっているという。展示では、ルータでアプリケーションを動かして管理や帯域制御などをするインテリジェントWAN(IWAN)の例として、AkamaiのキャッシュをCisco 4000側に持たせる「Cisco IWAN with Akamai Connect」もデモしていた。

 また、小規模拠点向けのCisco 800シリーズの新機種も展示。24ポート(うち8ポートがPoE対応)のルータ+スイッチCisco 891-24X、セルラー回線対応のCisco C899G、エントリーモデルのCisco 841Mがあった。

Cisco 4000シリーズと、Cisco IWAN with Akamai Connectのデモ
小規模拠点向けのCisco 800シリーズの新機種

クラウドでネットワークを統合管理する「Meraki」

 緑ベースの色づかいと、今風の白っぽいデザインで、Ciscoブース内で文字通り異色なコーナーだったのが、クラウドでネットワークを統合管理する「Meraki」だ。Merakiはもともと2012年にCiscoが買収した企業で、製品もちょっとApple製品を思わせるデザインとなっている。

 Merakiの機器にはWi-Fiアクセスポイントやスイッチ、セキュリティアプライアンスがある。また、MDMのソフトウェアもある。これらをすべて、クラウド上で設定や運用管理をするのが特徴だ。機器を拠点などに設置するときにも、拠点ではネットワーク接続するだけでクラウドから設定されるゼロタッチプロビジョニングができるという。

 企業向けの本格的な機能を有し、例えば業務系Wi-FiとフリーWi-Fiを分ける機能や、ネットワークアプリケーション利用を監視して、特定の通信をよく使っている人を表示する機能、特定のユーザーの行動や位置情報を追跡する機能なども持つ。「ただし、価格もシスコレベルです」とは説明員の言だ。

 なお、Best of Show Awardのクラウドサービス部門のグランプリを受賞した。ShowNetでもMerakiのアクセスポイントが使われていたそうだ。

CiscoのMerakiコーナー
ShowNetで使われていたMerakiのアクセスポイント
Merakiのアクセスポイントやスイッチ、セキュリティアプライアンス、MDM
ネットワークトポロジーの表示
ネットワークアプリケーションやデバイスの監視
ユーザーの情報

Web会議とビデオ会議を統合、音声と画像認識で話者を追跡する機能も

 コラボレーションのコーナーでは、大画面を2つ備えたビデオ会議端末「Cisco TelePresence MX800 Dual」を使い、ビデオ会議システムの「Cisco Collaboration Meeting Rooms(CMR)」をデモしていた。

 Cisco CMRは、クラウドベースのWeb会議システム「WebEx」や、各社のビデオ会議システム、PC上のSkype for Business(旧Lync)を統合したサービス。これにより、関連会社や取引先などともビデオ会議ができるという。

 デモでは、カメラが音声と画像認識により話者を認識し、追跡やズームをする、MXシリーズのスピーカートラック機能を見せていた。

 なお、Cisco CMRは、Best of Show AwardのShowNetデモンストレーション部門の審査員特別賞を受賞した。

Web会議やビデオ会議を統合する「Cisco CMR」を、ビデオ会議端末「Cisco TelePresence MX800 Dual」を使ってデモ。音声と画像認識により話者を認識するスピーカートラック機能も

さまざまなクラウドを相互接続する「Cisco Intercloud Fabric」

 インタークラウドのコーナーでは、プライベートクラウドやパブリッククラウドを相互接続する「Cisco Intercloud Fabric」をデモしていた。

 各クラウドに設置した仮想ルータによりクラウド間をL2トンネルで接続し、仮想マシンイメージの変換も含めたマイグレーションなども可能にする。IPアドレスを変えずにサーバーを移動するといったこともできるという。さまざまなクラウドやハイパーバイザーに対応し、「キャリアインタークラウドパートナー」の制度も設けている。なお、Best of Show Awardのクラウドサービス部門の審査員特別賞を受賞した。

さまざまなパブリッククラウドやプライベートクラウドを接続する「Cisco Intercloud Fabric」

工場向けスイッチや、フォグコンピューティング対応ルータをデモ

 IoTのコーナーでは、工場を想定した「スマートファクトリー」と、センサーのデータを集計する「産業向けIoT製品」の2テーマが展示された。

 スマートファクトリーは、工場の自動制御に使われるPLC(プログラマブルロジックコントローラ)への信号を、イーサネットとIPのネットワークに統合するというもの。これにより、コストが下がるという。ブースでは、耐障害性の高い産業環境向けスイッチCisco Industrial Ethernet(IE)4000シリーズを使った例が展示された。

 一方の産業向けIoTでは、センサーの信号をルータで前処理してから中央に送って処理する「フォグコンピューティング」を想定。振動センサーや照度・湿度・温度センサーの信号を920MHz帯(Sub-GHz帯)の電波で送信し、フォグコンピューティング対応産業用ルータCisco CGR 1240のモジュールで受けて処理する例や、同じくフォグコンピューティング対応産業用ルータCisco CGR 1120などが展示された。

PLCへの信号をIPに統合するスマートファクトリーと、Cisco IE 4000
センサーの信号をSub-GHz帯の電波で送信し、フォグコンピューティング対応ルータで処理

ACIなどCiscoのSDNソリューション

 SDNのコーナーでは、CiscoのポリシーベースSDN「ACI」について、パートナーエコシステムや、OpenStackとの接続、vSphereやHyper-Vの管理ツールとの接続、VDI・Oracleデータベース・SAP・ビッグデータのアプリケーション例を紹介。また、VXLANベースのIPファブリック、業界ごとのSDNソリューション、Cisco UCS管理ツールも展示している。

ACIのパートナーエコシステム
ACIとOpenStackの接続
ACIとvSphereやHyper-Vの管理ツールとの接続
ACIとアプリケーション
Cisco VXLAN Fabric
業界ごとのSDNソリューション
Cisco UCS管理ソリューション

(高橋 正和)