仮想化道場

メモリスロットに挿すフラッシュストレージ~サンディスクが開発したULLtraDIMM

ULLtraDIMMはどこで使われていくか?

 ULLtraDIMMを使うには、BIOSなどのファームウェアでの対応が必要になる。このため、ULLtraDIMMに対応したサーバーでの利用が前提になるが、SanDiskによれば、ファームウェアさえULLtraDIMMに対応してもらえば、サーバー側に特殊なハードウェアや回路の追加なしに利用できるとのことだ。

 一方OS側では、ULLtraDIMMをドライブやHDDのキャッシュとして利用するためのドライバソフトが必要になる。

 ULLtraDIMM対応サーバーの場合は、メモリスロットに挿されたULLtraDIMMを検知して、ドライブとして認識する。

 ULLtraDIMMは、メモリスロットを使用するため、メモリスロットの少ないサーバーでは、メインメモリの容量が少なくなってしまう。ULLtraDIMM自体も、現状では1枚が最大400GBの容量になるので、たくさんのメモリスロットがないと容量が稼げない。このためULLtraDIMMは、多数のメモリスロットが用意されているXeon E7 v2シリーズ(開発コード名:Ivy Bridge-EX)搭載サーバーが前提になるのではないか。

 一方、信頼性や安定性などを考えた場合、サーバーベンダーが特定モデルのサーバーのオプションとして事前にテストしていないと、ユーザーは購入しにくいだろう。このあたりはSanDisk側が、どれだけのサーバーベンダーにOEM供給できるのか、もしくはULLtraDIMM認証サーバーを増やしていけるのか、といった努力にかかっている。

 最近では、仮想化などでもフラッシュストレージの利用が当たり前となってきている。こういった環境を考えれば、高速で、遅延の少ないメモリスロットを利用するULLtraDIMMは、非常に面白いソリューションといえるだろう。

ULLtraDIMMは、高速なディスクアクセスが必要なアプリケーションのすべてに対応する(出典:SanDisk)
ULLtraDIMMは、仮想化においても高いパフォーマンスを発揮する。仮想マシンからのディスクアクセスの多くがULLtraDIMMで処理されることで、同じハードウェアで多数の仮想マシンを運用することが可能になる(出典:SanDisk)

山本 雅史