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ついにハードウェアを手にしたMicrosoft Nokia買収という賭け

 MicrosoftがNokiaのデバイス事業を約54億4000万ユーロ(約7100億円)で買収。ソフトウェアの巨人と世界第2位の携帯電話メーカーが一緒になる。Microsoftは、GoogleやAppleに倣ってハードウェアを手に入れるが、「Windows 8」は失速気味で、CEO退任など経営陣交替のまっただ中にある。すでに「Windows Phone」専属メーカーとなっているNokiaも、かつての勢いを失って久しい。両社の合体は「デバイスとサービス」の企業への道筋になるのだろうか――。

Elop氏のMicrosoft復帰とハード事業の再編

 両社の発表した計画を整理してみよう。Microsoftが買収するのはNokiaの携帯電話事業と一部の特許だ。Nokiaは通信インフラのNokia Solutions and Networks(元Nokia Siemens Networks)とナビゲーションの「HERE」、技術チームが率いる先進技術開発、特許ポートフォリオは引き続き維持し、「Nokia」「Lumia」などのブランドやHERE技術、特許などをMicrosoftにライセンスする。Microsoftは、携帯電話事業に37億9000万ユーロ、特許ライセンスに21億7000万ユーロを支払う。

 NokiaのCEO Stephen Elop氏は買収に伴い、CEO職を降りて携帯電話事業のトップとしてMicrosoftに復帰(Elop氏は元Microsoftの幹部)する。NokiaのCEOは現在取締役会会長のRisto Siilasmaa氏が暫定CEOとなる。3万2000人のNokiaの従業員はMicrosoftに移籍する。

 一方、Microsoft側は、現在、ゲーム機の「Xbox」とタブレット「Surface」などを担当するデバイス&スタジオ・エンジニアリング・グループのJulie Larson-Green氏が引き続き同グループを率いるが、取引完了後にElop氏のチームに入る。

 両社は、規制当局などの承認を経て、2014年初めの取引完了を見込んでいる。

(岡田陽子=Infostand)