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「市民データサイエンティスト」が活躍? 専門家でなくてもデータ分析

 クラウドで機械学習などのツールが安価に利用できるようになり、かつては大掛かりなBI(Business Intelligence)ツールが必須だったような分析が簡単にできるようになっている。そこで注目されるのが“非専門”でありながら、データ分析を駆使できる情報ワーカー「市民データサイエンティスト」(citizen data scientist)だ。市民データサイエンティストにはどんな可能性があるのだろう――。

セルフサービス分析と専門家分析の間のギャップを埋める

 Gartnerは年明け早々に開催した「Data & Analytics Summits」で、「データサイエンスの業務の40%以上が、2020年までに自動化される」との予想を発表した。これは生産性の向上と、データと市民データサイエンティストによる分析を広範囲に活用することによって実現するという。

 Gartnerは市民データサイエンティストを「高度な分析、あるいは診断的・処方的な機能でモデルを生成・作成するが、統計や分析を専門としない人材」と定義している。例えば、研究者でも専門の分析担当でもない営業マンが、Excelでデータを分析して仕事に活用する姿の延長上と言ってもいいだろう。

 クラウドと、その分析ツールの充実でデータ分析は飛躍的に身近になった。主要エンタープライズベンダーは昨年、こぞってAIを利用した自社製品やソリューションを投入した。営業担当に次のステップを提案したり、案件が成立する可能性を知らせたりするサービスで、ビジネスプロセスの分析部分を自動化してくれるものだ。

 だが、それだけでは企業のニーズは満たせない。Gartnerは市民データサイエンティストを、ビジネスユーザーによるセルフサービス型の分析と、高度な技術を要する専門のデータサイエンティストの間のギャップを埋める存在になりうると解説している。