電子カルテにiPadを採用した北海道社会保険病院、「ベリサインMDM」で端末管理
日本ベリサイン株式会社は2月17日、医療機関でタブレット端末やスマートフォンなどから電子カルテシステムを利用するための「ベリサイン電子カルテ向けスマートデバイスソリューション」を発表した。最初の事例として、札幌市の北海道社会保険病院(病床数358床)に2月より導入する。
ベリサイン電子カルテ向けスマートデバイスソリューションの中心となるのは、同社のクラウド型MDM(モバイルデバイス管理)システム「ベリサインMDM」。ベリサインMDMで端末を一括管理し、電子証明書でデバイスを認証することで、重要情報へのアクセスの管理や、セキュリティ対策、ポリシーの適用を実現する。利用料金は、MDM+電子証明書ライセンスが1台あたり年間7200円。
タブレット端末やスマートフォンからは、Windows標準のリモートデスクトップ接続(RDP)を通して、電子カルテシステムの専用端末を操作する。これにより、既存の電子カルテシステムに変更を加えることなく、ベンダーやシステムも問わず利用できる。
また、BluetoothやUSBなどで端末とバーコードリーダーを接続することにより、患者の腕についたベルトや点滴などのバーコードを読み取ってすばやく必要な情報にアクセスできる。
日本ベリサイン株式会社 IAS製品本部 上席部長 坂尻浩孝氏 | ベリサイン電子カルテ向けスマートデバイスソリューションの説明 |
iPad(左)やiPod Touch(右)で病室から電子カルテにアクセスする。バーコードリーダーを接続することで、すばやく患者や点滴を識別する |
今回導入した北海道社会保険病院の練生川(ねりうがわ)和弘氏は、現在利用している電子カルテシステムの利用現場での課題として、専用のノートPCをナースカートに載せて使う形態であることを挙げる。ナースステーションの空間を占有するほか、病室に運搬するのが大変なこと、電源ケーブルを接続することで患者がつまづく危険性などを憂慮していた。
この専用端末をiPadおよびiPod Touchからリモートデスクトップ接続で操作することで、病室への運搬を楽にし、ナースステーションの占有を削減。管理コストも1台あたり70%削減できるという。
導入は11月から開始し、1月から検証を行なった。また、ベリサインMDMと電子証明書を使った院外からのリモートアクセスも、これから導入していく予定。
北海道社会保険病院 |
北海道社会保険病院 システム管理室 係長 練生川 和弘氏 | 現状の電子カルテシステムの利用現場での課題 |
ナースセンターに置かれた専用ノートPCのナースカート。すでにリモートデスクトップ接続で使うようになっている | 機器構成イメージ |