週刊データセンターWatch:

日立、次世代AIインフラに向けて800V直流アーキテクチャーの構築を支援
2025年11月18日 06:00
株式会社日立製作所と日立エナジーは、NVIDIAが提唱する800V直流(VDC)電力供給アーキテクチャーの構築をサポートすると発表した。次世代のAIインフラに向けて、よりクリーンで、効率的な電力供給方式の開発を目指すとしている。
800VDCは、NVIDIAが2025年5月に自社の技術ブログで導入方針を示していた。発電所から送電される交流電力は、データセンターのラックまでの過程で何度も変換処理されるため、ロスが発生していることが背景にある。
日立の発表によれば、近年のAIにまつわる電力負荷は、これまでの電力供給インフラの限界を超えつつある。2025年から2030年にかけては、世界全体で最大125GWのAIデータセンターが新設されるとの予測があり、これはスペインの総発電設備容量に相当するという。
日立ではこうした諸課題を「グリッド・トゥ・ラック(grid-to-rack)アーキテクチャー」で解決し、よりシンプルで効率的な電力インフラを構築したいとしている。また、800VDCで電力グリッドからサーバーへ効率的に電力を供給することにより、ハイバースケールAIデータセンターのより迅速な展開も可能になるとしている。