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クラウド不要の「ローカルAI」で機密データを守る。エプソンダイレクトの実践的AI PC活用術

 ビジネスシーンにおいて生成AIの活用が本格化する中、ハードウェアにもAI処理に特化した性能が求められている。2026年3月2日に東京国際フォーラムで開催された「Windows AI Day」(主催:インプレス、特別協賛:日本マイクロソフト)では、WindowsのOEMベンダー11社が展示ブースを構え、ローカルAIの実行に適したCopilot+ PC/AI PCを出展し、来場者に自社製品をアピールしていた。本稿では、その中からエプソンダイレクトを取り上げ、同社の最新デバイスを紹介する。

作業効率向上を支援する16型Copilot+ PC「Endeavor NL3000E」

 企業の現場において、AI活用を前提としたNPU搭載PCへの注目が高まっている。業務効率化やセキュリティー強化を目的とした導入が活発化しており、資料作成や会議の要約といった日常業務の負担軽減が進んでいる。また、リアルタイム性が求められる製造現場などでのエッジAIとしての展開も顕著だ。こうしたニーズに対し、エプソンダイレクトは、ビジネス用途に特化した独自の視点からAI PCのラインアップを展開している。

 その中核を担うのが、インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)を搭載したCopilot+ PC「Endeavor NL3000E」である。本製品の最大の特徴は、作業のしやすさを追求した16型ディスプレイの採用だ。複数のウィンドウを並べても窮屈さを感じず、表計算ソフトや画像編集ソフトのツール類を表示したままでもプレビュー画面を大きく映し出すことができる。そのため頻繁なスクロールや倍率変更によるストレスを軽減できる。また、sRGB比100%の広色域にも対応し、正確な色再現と視認性を両立している。

Endeavor NL3000E

 特筆すべきは、16型の大画面でありながら質量が約1.26kgからと軽量である点だ。エプソンダイレクトは、本製品を「据え置き型のノートPCでありながら気軽に持ち運べる新しいスタイルのPC」として位置付けている。大画面ノートPCが求められている市場の傾向を捉え、Copilot+ PCの利便性を最大化するための画面サイズ選択だという。

 さらに同社は、Copilot+ PC/AI PCの具体的な活用方法として、ローカル環境でのAI処理性能に注目している。クラウドへのデータ持ち出しが制限されるようなセキュリティーの厳しい環境向けに、外部ネットワークに接続せずAIを用いて社内データを検索・問い合わせできるソリューションや、ネットワークのない場所でも利用できるAI翻訳ソリューションが参考展示されていた。またローカル環境でAI処理を行うことで遅延を最小限に抑えられるため、リアルタイム性が求められる製造現場などでの活用にも適している。AI導入を進める上で課題となりやすいデータ管理やセキュリティー要件に対し、可能な限りクラウドに依存せず、ローカル環境で完結させることを意識したアプローチだ。

幅広い用途に対応する高性能デスクトップ「Endeavor Pro9300」と「Endeavor SG150」

 一方、より高度な処理能力を必要とする現場に向けては、デスクトップPC「Endeavor Pro9300」が用意されている。インテル Core Ultra プロセッサー(シリーズ2)を搭載し、GPUにはNVIDIA GeForce RTX 50シリーズを選択可能だ。最大6基のストレージを搭載できる高い拡張性を備え、大容量データの保存や高速処理を実現する。製造業や研究分野での画像解析、大量データ処理、AIモデルの学習に加え、CAD設計や3Dモデリング、動画編集といったクリエイティブ業務にも適した1台である。長時間の高負荷処理でも安定稼働を確保するよう冷却性能を高めた設計となっており、業務を止めない信頼性を提供する。

Endeavor Pro9300

 また、NPU搭載モデルではないものの、省スペース性を重視する環境には高性能コンパクトデスクトップPC「Endeavor SG150」もラインアップされている。容積約2.8Lという小型筐体でありながらグラフィックスボードを搭載でき、CADや画像編集などの高負荷作業に対応する。スペースの限られたデスク環境や店舗カウンター、医療現場への設置に適しており、優れた冷却性能で安定稼働を実現する。

Endeavor SG150

導入の不安を払拭する手厚い支援と長期保守サービス

 エプソンダイレクトの強みは、ハードウェアのスペックだけでなく、ユーザーの導入と運用を強力にバックアップする支援サービスにもある。その代表例が「無料貸し出しプログラム」だ。これは、購入前にエプソンPCを希望の仕様で実際に使ってみることができる仕組みである。特に、製造ラインや組み込み用途など、自社に適したスペックの見極めが難しい環境において、顧客の要望に合わせてBTOでカスタマイズしたPCを無料で貸し出している。実際の環境で動作検証を行い、適正なスペックを確認してから購入できるため、導入側にとって非常に安心感が高いと好評を得ているという。

 運用段階では「最長7年の定額保守サービス」が用意されている。このサービスはオプションでグラフィックスボードなどの主要部品も保守対象になるため、万が一の故障時にも迅速な修理体制で業務への影響を最小限に抑えることができる。あらかじめ保守料金を予算化できる点は、企業ユーザーにとって大きなメリットとなるだろう。

 Copilot+ PCやNPU搭載PCの導入に不安を感じる企業であっても、段階的に検証し納得して導入できる点は大きな魅力だ。大画面化による作業効率の向上や、ローカルAI処理によるセキュリティーの確保など、ビジネスの現場に寄り添うエプソンダイレクトの製品群は、業務環境を革新する有力な選択肢となるだろう。