ニュース

IT部門とは別にユーザー部門が独自のストレージ予算を持つケースが増加、IDC Japan調査

 IDC Japan株式会社は18日、国内ストレージ需要動向調査の結果を発表した。調査は2月にウェブアンケートを実施したもので、回答数は700社。700社の内訳は、大企業(従業員数1000人以上)が314社、中堅中小企業(同1000人未満)が386社。

 調査によると、IT予算(ストレージ予算含む)をIT部門だけではなく、ユーザー部門で持つケースが増えていると説明。IT部門とは別にユーザー部門が独自のストレージ予算を持つ割合は、大企業では54.1%、中堅中小企業では42.0%を占めた。

 実際にユーザー部門が持つストレージ予算の支出用途としては、大企業、中堅中小企業とも「外付型ストレージシステム」「NAS(ストレージベンダー製品)」「NAS(PC周辺機器ベンダー製品)」「ストレージソフトウェア」「ストレージに関する導入/構築サービス」が回答率の上位5項目となった。

 ユーザー部門が独自のストレージ予算を持っている企業に、ユーザー部門のストレージ予算が今後増加するかについてたずねた質問では、大企業では「増加する」が60.6%、「横ばい」が28.8%で、中堅中小企業では「増加する」が56.8%、「横ばい」が29.6%。ユーザー部門のストレージ予算が増加する理由としては、大企業、中堅中小企業とも「ビジネス要請を迅速にシステムに反映する」「ユーザー部門の業務知識を必要とする案件の増加」「ユーザー部門の市場での競争力を強化する」が上位3項目となった。

ユーザー部門が持つ独自のストレージ予算の今後の増減(出展:IDC Japan)

 IDC Japanエンタープライズインフラストレクチャ/PCs グループディレクターの森山正秋氏は、「ビジネス要請への迅速な対応や、市場での競争力強化を目的にユーザー部門のストレージ予算の増加は今後も続いていくと予測される。今後のストレージインフラ構築ではユーザー部門、IT部門、ベンダーの3者の協業の重要性が増す」と分析している。

三柳 英樹