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小中高におけるICT活用による成果、関東では懐疑的な傾向?
(2016/2/9 16:14)
株式会社デジタル・ナレッジと株式会社Z会ラーニング・テクノロジは、「小中高におけるICT活用に関する意識調査報告書」を公開した。学校にICTを導入している全国の小中高の教員100人を対象にウェブアンケート方式で調査したもの。調査期間は2015年10月7~12日。
ICTを導入する学校の中で、全学年の授業の全教科もしくは一部の授業に適用している学校は8割に達した。
学校で導入しているハードウェアは、PCが82%、プロジェクターが69%、タブレット端末、電子黒板がともに45%、デジタルテレビが42%、スマートフォンが2%。小学校では電子黒板やデジタルテレビ、高校ではプロジェクターの導入率が高い。地域別に見ると、全体的に中国・四国・九州地方でのICT導入率が高い傾向が見られた。
ソフトウェア・設備については、無線LANが50%で半数が導入。以下、LMS(Learning Management System)やeラーニング、デジタル教科書がともに18%、学習用ソフトウェアが17%、映像教材が15%。小・中学校ではデジタル教科書、高校ではLMS・eラーニング、映像教材の利用が多い。
視覚的な説明や交流が有効と考えられる授業や科目、一生徒の意見を全体に提示する場面などで多方面的に活用されており、「導入後、成果を実感したり授業・生徒の良い変化を実感したか」との設問には58%の教員が「はい」と回答。「学習意欲や集中力アップ」「学習効果の向上」に貢献し、一定の効果を上げているという。また、板書などの手間と時間のカットで、生徒指導などの“本質的な教育”に時間を割けるようになったとしている。一方で「いいえ」は2%、「どちらともいえない」が40%だった。
なお、授業や生徒の良い変化を実感したとの意識は地域によって差があり、中国地方で81.8%、中部地方で66.7%、九州地方で63.6%が成果を実感している一方、関東は31.8%と、他の地域と比較すると最も低い結果となった。