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富士通など、川崎フロンターレの公式戦で来場者参加型競技場サービスの実証実験を実施

 富士通株式会社、株式会社富士通研究所、ニフティ株式会社は共同で、スマートフォンを通じて試合内容に応じた情報配信や観客参加型イベントなど来場者参加型の競技場サービスを実現するシステムを構築し、11月22日に川崎市営等々力陸上競技場で行われるJリーグ公式戦「川崎フロンターレvsベガルタ仙台」で実証実験を行うと発表した。

 富士通研究所が開発した、時間や場所に応じて必要なサービスを自動的に利用可能にする「プレイスサービス基盤技術」を活用したシステムを、富士通と富士通研究所がニフティクラウド上に構築。来場者参加型のゲーム(フロンターレGP)を通じて、サービスの実証実験を実施する。

「Frontaleスタジアムサービス(実験)」システム概要図

 実証の参加者向けには、専用アプリケーション「Frontaleスタジアムサービス(実験)」を、11月16日からGoogle Playで無償配信する。対象OSはAndroid 4.2以上。

 参加者は、試合当日の入場前までにスマートフォンにアプリケーションをインストールした後、Bluetooth設定をオンにし、アプリケーションを一度起動した状態で競技場に入場すると、各入場口に設置されたビーコンを通じて来場者として認識される。イベント時刻になると、競技場内で実験用のサービスが自動的に利用可能になり、オーロラビジョンと連動したゲームに参加できる。

 提供予定サービスは、スマートフォンとオーロラビジョンとを連動した来場者参加型ゲーム、川崎フロンターレからのお知らせ、他会場の試合経過情報、実証終了後のアンケートなど。スマートフォンの場所や時間といった状況に応じて、さまざまなサービスが自動実行される。

アプリの画面遷移

 大規模なユーザー利用時にサーバー側にかかる負荷やクラウドシステムの稼働状況の検証に加え、競技場など不特定多数の大勢の人が集まる場所において、各ユーザーの所有するスマートフォンを一斉に協調動作させて新しいUX体験を実施する効果についても、来場者アンケートなどを通じて検証する。

 富士通と富士通研究所では、実証実験の結果を活用し、競技場やイベント会場における混雑状況、物販情報、入退場時の誘導情報、災害情報など各種情報の通知サービスや来場者が一体となって参加できる体験型のサービス、個人のTPOに合わせて最適なスマートフォン機能を活用できるサービスなど、新しいサービスの実用化を検討していく。

 ニフティでは、実証実験の結果を「ニフティクラウドIoTプラットフォーム」に活用し、大量のデータ通信や大規模なデータ処理を要するシステムの構築支援サービスの強化に取り組んでいく。

三柳 英樹