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スマホで情報共有、「チーム医療」の連携促進――日立システムズが新製品

 株式会社日立システムズは10日、チーム医療の現場において、スマホによる円滑なコミュニケーションを実現する「院内コミュニケーションソリューション」の提供を開始した。

 昨今、医療品質の向上のために採り入れられている、医師、看護師、コメディカル(医療従事者)が互いに連携・補完し、患者の状況に合わせて最適な利用を提供する「チーム医療」。専門的技術を効率よく提供できる反面、複数の職種間でのコミュニケーションと情報共有が課題となる。

 新ソリューションでは、こうしたチーム医療や業務効率化に課題を持つ医療機関に向けて、内線・ナースコール・チャット・プレゼンス(在席表示)機能などをスマホで一元的に利用できる院内情報基盤を提供する。

 例えば、医療従事者はほかの事務職と異なり、一定の場所で業務を行うことが少ないため、内線電話をかけてもなかなかつかまらずにかけ直しが頻発していた。この場合、チャット機能を利用することで、送受信者双方の状況を気にせずに連絡が取り合える。また、チームや委員会で自由にグループを組み、メンバーへ一斉にメッセージを送信することも可能。伝える情報の重要度に応じて、内線電話やチャットを選べるようになる。相手の状況(居場所・忙しさ)もスマホで確認できるため、相手の不在による伝達漏れや電話のかけ直しを極力排除することが可能という。

 さらにナースコールとも連携できるため、端末をスマートデバイスに一本化し、設備を集約できるのもメリットとのこと。中小規模から大規模までの医療機関が対象で、スモールスタートなど予算・用途・計画に応じた導入も可能。棟や科などで管理が分かれていて、部分導入したい場合も柔軟に対応する。

院内コミュニケーションソリューションの概要

 価格は、100床の規模、30台のスマホで初期費用が350万円(税別)から。無線LAN設備費などを除く。日立システムズは、PBXの導入や音声ソリューションの対応、ナースコール連携、デバイスの調達・提供・キッティング・問い合わせ対応までワンストップに対応する。

 今後も医療・介護分野へのICT導入を支援し、新ソリューションをはじめとするスマートデバイス関連事業の売上目標約280億円(2012年4月~2015年度末までの累計)の達成をめざすとしている。

川島 弘之