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米Microsoft、クラウドネイティブのプレゼンアプリ「Sway」プレビュー版

Officeファミリーの一員となる新アプリ

 米Microsoftは1日、Officeスイートに新アプリ「Sway」を追加したと発表した。Webベースのプレゼンテーションアプリで、Microsoftが提唱する「モバイルファースト、クラウドファースト」時代に対応するために開発されたクラウドネイティブアプリという位置付けだ。

「Sway」のデモンストレーション動画より

 Officeスイートにはすでにプレゼンテーションアプリがあるが、よりフォーマルなプレゼンテーションアプリで印刷用途も含む「PowerPoint」、アイデアをまとめるための「OneNote」とは区別されており、他のアプリケーションを補っている。

 例えば、iPhoneで写真を撮り、すぐにSwayに張り付け、音声入力でコメントを入力すると、即席のプレゼンテーションが完成するといった具合だ。

 作成したプレゼンテーションは「Sway」と呼ばれるが、Webアプリであるため、別のブラウザやタブレット端末などでも見られる。その際、フォームファクターに合わせて自動的に美しく見えるようにリフローされる。

 これまでであれば、美しいプレゼンテーションの作成には、ユーザーがピクセルの位置や配色などを考える必要があった。しかし、Microsoftはデザイナーがどのように美しいプレゼンテーションをデザインするかをアルゴリズム化し、自動的に美しくリフローするように設計したという。また、画像や文章など、強調したいオブジェクトを選択するだけで、最も効果的に強調できるサイズや位置に表示してくれる。そのための最適なテンプレート、挿入する写真や画像に合わせた配色も選ばれるとしている。

「Sway」のデモンストレーション動画より

 Swayはクラウドネイティブであるため、コンテンツの追加も簡単だ。現時点でOneDrive、Facebook、Twitter、YouTubeに対応し、コンテンツを選択するだけで追加できる。その他のサービスやコンテンツにも対応予定だ。

 こうして作成した「Sway」は、すぐにFacebookやTwitterなどで共有可能だ。

 Swayは現時点でプレビュー版としてメールアドレス登録による招待制となっており、Webアプリケーションのみの提供だ。しかしMicrosoftのデモンストレーション動画ではiPhoneアプリでSwayを利用している様子も映っており、iPhoneアプリ公開が期待される。

 また、将来的にはビジネス用途、特にOneDrive for Businessへの対応、SharePointとの連携、Officeグラフとの統合、情報保護やIT管理者向けの機能も追加されるほか、英語以外の言語や新しいタイル、レイアウトへの対応も予定されている。

 Microsoft現在、Swayにつてのユーザーからのフィードバックを求めている状態だ。しかし将来的なビジョンとしてSwayの利用用途として「赤いパンダについてのデジタルレポートをまとめている学生、年次株主報告書を作成しているビジネスプロフェッショナル、大工の専門知識を共有したい日曜大工好き」にも利用してもらいたいと説明している。

青木 大我 taiga@scientist.com