ニュース
シスコ、エンタープライズネットワークのアーキテクチャを整理・刷新
(2013/11/29 06:00)
シスコシステムズ合同会社(シスコ)は27日、同社の「シスコエンタープライズ ネットワークアーキテクチャ」の刷新と、新アーキテクチャに基づく新製品の発表を行なった。
従来から同社は、ネットワークアーキテクチャをエンタープライズ、データセンター、サービスプロバイダー、コラボレーションの4つの領域に分けて考え、それぞれの分野ごとに最適化された製品を提供してきた。それぞれの分野では、ハードウェアレベルで利用されるASICからOSまで、それぞれ異なるコンポーネントが利用されていた。
なかでもエンタープライズネットワーク向け製品にはスイッチ、ルータ、無線LAN機器が含まれるが、この3製品でもそれぞれ異なるASCIや異なるOSが使われてきた。たとえばOSでは、スイッチではIOSのスイッチ向けの改良版が、ルータではIOS-XE、無線LAN機器にはまた独自のOSが、といった具合だった。今回のアーキテクチャの刷新では、まずエンタープライズネットワークの製品群のアーキテクチャが整理され、OSやASICが共通化された。
概要説明を行なった同社の専務執行役員 テクノロジーソリューション&アーキテクチャ統括の木下 剛氏はこの背景について、「現在の4領域のアーキテクチャを策定したのは約5年前だが、その後クラウドやSDNが出現し、アーキテクチャの見直しが必要になった」と説明した。
今後のエンタープライズネットワーク製品では、OSがIOS-XEに統一され、ASICにはあらたに開発されたUADPが使われる。UADPは有線LANと無線LANの機能を統合した初のチップということで、従来はそれぞれ別個に処理されていた有線LANと無線LANを統合的に扱えるようになることで効率が向上する。
なお、OSに関してはサービスプロバイダ向けにはIOS-XR、データセンター向けにはNexus OSが使われ、3分野でのOSの統一化は行なわれない。
また、全体のアーキテクチャも整理が行なわれた。従来はエンタープライズネットワークに包含される形で位置づけられていた「セキュリティ」が独立した機能として全ての土台として位置づけ直されると同時に、全てを包括する上位レイヤとして「CISCO ONE」が置かれ、SDNへの対応が明確化されている。
新製品としては、Catalystシリーズ・スイッチで「Cisco 4500E Supervisor Engine 8E」「Catalyst 6880-X」「Catalyst 68070XL」「Catalyst 2960-X」「Catalyst 6800ia」「Catalyst 3650」「Catalyst 3850」、ルータ関連で「Ciscoサービス統合型ルータ(ISR) 4451-AX」「Ciscoアグリゲーションサービスルータ(ASR)1000-AX」「Cisco Cloud Servicesルータ(CSR)1000V」、無線関連で「Cisco Aironet 3700シリーズ」「Cisco MSE 7.5 - CMX Browser Engage」がそれぞれ発表になっている。