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IIJ、大量の動画ファイルをクラウド上でフォーマット変換できるサービス

 株式会社インターネットイニシアティブ(IIJ)は30日、大量の動画ファイルをクラウド上で手軽にフォーマット変換できる「IIJ GIOクラウドトランスコードパッケージ」を発売した。

 トランスコードとは、映像ファイルの映像・音声形式を、PCやスマートフォンなど配信対象のデバイスに合わせてデジタル形式のまま変換する作業。商用利用におけるトランスコードには、大容量のデータを扱える高性能なサーバーと専門的な技術を持った人材が必要である一方、デバイスの多様化に伴い、コンテンツ配信市場では映像ファイルのトランスコード需要が増大している。

 同パッケージは、そのような需要に応え、これまでIIJが放送局などへ提供してきたトランスコードシステム運用のノウハウをパッケージ化して提供するもの。従来、トランスコードシステムの多くはソフトウェアで提供されていたが、月額課金のSaaSとして提供するのが特徴。

 提供にあたっては、対応するフォーマットや処理する映像の本数をユーザーにヒアリングし、IIJの技術者が最適なシステム構成を提案。ユーザーは自社でサーバーなどを用意することなく、利用したいタイミングで必要な量のシステムリソースをクラウド上に確保できる。

 ソフトウェアには米Capella Systemsが開発した「Cambria FTC」を採用し、クラウドサービス「IIJ GIOサービス」上から提供。Cambria FTCは、トランスコード用ソフトとして定評のある製品とのことで、編集後のApple ProRes、Canopus HQなどのフォーマットをFlash Video、HLS、MPEG2-TSやアクトビラビデオなど、多彩なフォーマットへ変換可能。今後、H.265などの新しいフォーマットにも対応する予定という。

 また、動画ファイルの変換から配信までの自動化も可能。同パッケージで提供される専用サイトに変換したい元の映像ファイルをアップロードするだけで、自動的にトランスコード処理が完了し、「IIJ大規模コンテンツ配信サービス」などと組み合わせれば、変換から配信までワンストップに行える。

川島 弘之