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関東学院大学と富士通、Office 365 Educationの無料プランを活用した全学メールシステムを構築

 関東学院大学と富士通株式会社は15日、クラウドサービス「Office 365 Education」の無料プランを活用した全学メールシステムを共同で構築し、本格運用を開始したと発表した。

 関東学院大学では、学生向けサービスの拡充とICTの効率的な活用を目指し、2010年から基幹システムを仮想環境へ統合。段階的なクラウド化を進めてきた。特にメールシステムについては、ほかのシステムに先駆け、コスト削減を狙って2008年からSaaS型へ移行していたものの、メール保存容量が不足してきたため、システム更改の必要に迫られていたという。

 そうした中で導入された新システムは、Office 365 Educationをベースに、メール送受信履歴の保管と分析、メールアドレスの登録・削除などを行うログ管理機能を富士通が付加したもの。メール保存容量が従来の1GBから25GBに拡大されており、運用コストをこれまでの約半分に抑えながらも、近年の教育・研究現場でのネットワークを利用した、大容量のコンテンツの送受信にも対応できる。

 また、無料プランを利用していることから、利用者数が増加してもメールサービス利用料金がかからない点もメリット。さらに、クラウド型メールサービスで問題となることが多かった、大学や企業ごとの運用に沿ったヘルプデスクサービスを受けにくいという点については、メールサービスに関する操作やメール送受信履歴の分析方法など、あらゆる問い合わせに対しては、富士通がワンストップで対応することで解決した。

 なお、ログ管理機能の開発には、富士通のアプリケーション開発ツール「RapidWeb+」が利用されており、3カ月という短期間での新規構築を実現しているとのこと。

 加えて、約10万人の卒業生にも同等のサービスを提供する、生涯を通して利用可能なメールシステムとして構築されている。さらに、メール送受信履歴の解析ができるため、大学からの重要な通知や学生からの課題送受信に関する、メール配信成否の調査も可能になるとした。

(石井 一志)