NEC、世界最先端の分析エンジンを活用したクラウドサービス

11月8日からC&Cユーザフォーラム&iEXPO2012を開催


 NECは、ビッグデータ分析のクラウドサービスとして、「顔認証技術活用マーケティングサービス」、「不審者監視セキュリティサービス」、「テレマティクスサービス」の販売を開始する。

 NECが独自に開発したデータ分析技術を活用して、企業がビッグデータの分析の試行や本格利用を行うためのサービスで、今回発表した3種類のサービスを第1弾として、順次、メニューを拡大するという。


ビッグデータ関連製品を続々投入

NECの保坂岳深執行役員

 NECの保坂岳深執行役員は、「NECでは今年2月以降、毎月のように継続的にビッグデータ関連製品および技術を発表している。また、ビッグデータに関しては、100件超の商談を進めるなかで、マーケティング、サービスの運用・保守、リスク管理という3つへの関心が高い。だが、その一方で、ビッグデータをどう活用できるのか、どれぐらいの投資費用が必要なのかといった点を懸念する声もある。今回のサービスは、今年7月から提供しているビッグデータディスカバリープログラムによるデータ分析検証サービスの強化と、分析クラウドサービスの強化であり、世界最先端の分析エンジンを活用することで、企業が持つビッグデータに関して持つ課題を解決できる」とした。


顔認識技術を用いた顧客分析とセキュリティサービス

 分析クラウドサービスとして提供する「顔認証技術活用マーケティングサービス」は、画像から自動的に人の顔を検出し、高精度に同一人物を特定するもので、店舗などに設置したカメラに映った人物の年齢、性別を推定し、来店日時とあわせて継続的に蓄積することで、来店客の傾向を分析できる。

 「購買データだけでなく、来店データを分析できるのが特徴。水曜日には来店者が多いが売り上げが少ないといったことや、顔認識技術から同一人物のリピーターがどれぐらいるいかといったこともわかり、より戦略的なマーケティングに活用できる。分析付きのクラウドサービスは日本では初めてのものになる」という。

 価格は、1店舗あたり月額7万円から。11月7日から提供を開始する。同サービスをオンプレミスで展開した場合には数100万円から提供しているという。

 「不審者監視セキュリティサービス」は、顔認識技術を活用し、カメラ映像からリアルタイムに人物を検出し、自動的にデータベースに登録。不審者を検出することができるサービス。過去の映像から不審者の絞り込みや検索も可能で、事案の発生前に検知し、事前警告などの防犯措置も行えるようになる。検索した情報はタブレット端末にも表示、操作ができるという。

 「例えば、小売店で店内に不審者がいるという情報が入った場合、過去の映像データから不審者を特定することができる。警備員は、警備員室のなかのビデオ映像で確認するのではなく、現場にいながら、所持しているタブレットでリアルタイムで確認できる。不審者監視をクラウドサービスとして提供するのは初めてとなる」とした。

 保管するデータは暗号化するとともに、一定期間を経過すると消去するという。価格は個別見積もりで、2013年1月末からサービスを提供する。

「顔認証技術活用マーケティングサービス」では来店者の傾向を詳細に分析「不審者監視セキュリティサービス」では、タブレット端末でも不審者をみることができる


行動分析エンジンを用いた「テレマティクスサービス」

 「テレマティクスサービス」は、NEC独自の行動分析エンジンを利用したオートモーティブサービスで、蓄積されたプローブデータからユーザーごとの行動パターンを分析。時刻やユーザー位置などを組み合わせて、ユーザーの行動を予測する。自動車から発信される生データを用いることで、各種情報発信のほか、アクセルやブレーキの踏み方などにより、安全運転度やエコドライブ度の判定サービスなどにも利用できる。価格は個別見積もりで、2013年3月末からサービスを提供する。

 一方、データ分析検証サービスでは、各種分析エンジンを搭載したビッグデータ基盤を整備。様々な用途に適したアプリケーションを利用することで、迅速で、低コストでのビッグデータ分析が可能になるという。

 「NECでは、インバリアント(不変性)分析、顔画像認識、行動分析、異種混合学習、テキスト含意認識といった独自の先進技術を組み込むことで、データの編集、加工、蓄積、分析を行うビッグデータ基盤を開発し、これをNECのデータセンターに構築している。この基盤を活用することで、事前準備や環境準備などが不要になり、データ分析期間を最大50%短縮することができる」という。

 NECの保坂岳深執行役員は、「ビッグデータに関するサービスは、今後も継続的に提供していく。分析エンジンをフルに活用して、データ分析などの分野でお客様への貢献を図っていく。これらのサービスは、オンプレミスでも、クラウドでも、ハイブリッドの環境で選択してもらう形で提供していく」などとした。

行動分析エンジンを用いたテレマティクスサービス今後の取り組み


 なお、NECは、11月8日、9日の2日間、東京・有楽町の東京国際フォーラムにおいて、「C&Cユーザフォーラム&iEXPO2012」(主催・NEC C&Cシステムユーザー会、NEC)を開催する。今回発表された3つのクラウドサービスも会場に展示される予定だ。

 C&Cユーザフォーラム&iEXPO2012の開催時間は、午前9時30分から午後6時まで。展示会場は、午前10時から午後6時までとなっている。参加料は無料。
 


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(大河原 克行)
2012/11/7 13:06