日立、CloudStackベースのクラウド基盤導入ソリューションを大学・研究機関向けに提供
株式会社日立製作所(日立)は29日、「日立クラウド基盤導入ソリューションPowered by Apache CloudStack」を開発したと発表した。Apache CloudStackを活用し、仮想サーバーやHadoop環境などをオンデマンドで提供可能なクラウド基盤を構築するソリューションで、第1弾として、大学や研究機関向けの提供を11月1日より開始する。
このソリューションを利用してクラウド基盤を導入することで、大学や研究機関は、仮想サーバー環境や複数のサーバーをまとめたクラスタパッケージによるMPI環境、Hadoopなどの分散処理環境、オンラインストレージやブログなどを、クラウドサービスとして学生や研究者へオンデマンドで提供できるようになる。
さらに、これまで大学や研究機関内に個々に設置されていたサーバーやストレージをクラウド基盤へ移行することで、ITリソースの一元管理に対応。管理・運用にかかる時間やコストの低減、省電力化、ITガバナンスの向上やセキュリティの強化などを実現するとした。
一方でクラウドサービスを利用したい学生や研究者の側にとっても、ポータル画面から容易に利用申請が行えるため、必要とする環境を迅速に設定して利用できるだけでなく、運用時の手間が省ける点もメリットとのこと。
このシステムでは、オープンソースソフトウェアのApache CloudStackをベースに、Shibboleth認証に対応し、組織内の他システムと連携したシングルサインオンを可能としたほか、Hadoopなどの分散処理ソフトウェアを仮想サーバー環境で稼働させる際に課題となっていた、ストレージへの負荷の平準化などを行う処理機能を追加し、性能劣化の問題を解消している。
なお先行事例として、国立大学法人九州大学の「キャンパスクラウド」構築に利用されており、九州大学では、10月から学生や研究者に向けてのサービス提供を開始している。