SAPジャパン、HANAを基盤とした小売業向けマーケティングソリューション
ECサイトのレコメンドを実店舗で実現
リアルタイムコンピューティング事業本部長の馬場渉氏 |
SAPジャパン株式会社は23日、小売業界など消費者との直接の接点を持つ業種を対象にRealtime One-to-One Merketingを実現するソリューション「SAP Precision Retailing」を発売した。
同ソリューションは、インメモリデータベース「SAP HANA」を基盤に、スマホアプリ、BI、リアルタイムオファー管理などの最新技術を組み合わせ、クラウドで提供する。大量データを瞬時に処理するHANAを採用したことで、数百万人の買い物客に対して、数千のオファーの中から最適なものをリアルタイムに選べるという。
SAP Precision Retailingを利用する小売業は、まず買い物客にスマホアプリ「お買い物リスト」を配布する。買い物客は買おうとしている品目を「お買い物リスト」に入力しておく。買い物客が来店すると、SAP Precision Retailingはリストにある品目に対し、その買い物客の購買履歴に基づく傾向や嗜好と、品目ごとの売れ行きの動向、併売実績、在庫状況、および時刻などの情報を瞬時に照らし合わせ、その買い物客に最も有効と思われるオファー(レコメンド)を十数個提示する。
例えば「毎週買っているヨーグルトがリストから漏れていればリマインド」、「魚をよく買っている人に新鮮なサンマを案内」、「お肉を買おうとする人により安い特売品を案内」、「先週あるフランスワインを買った人には翌週は別のチリワインを案内」などのオなどが可能。ポイントプログラムと連動させて、その場で割引チケットを提供するといったことも可能となる。
買い物客が売り場で商品を手にするそのタイミング(スマホの買い物リストにチェックを入れる瞬間)で個々にパーソナライズしたオファーを提示できるのが特長だ。
利用例:小売の場合 | ガソリンスタンドの場合 |
飲食店の場合 |
リアルタイムコンピューティング事業本部長の馬場渉氏は「ユーザーの過去履歴を蓄積してそれに応じた関連商品やバナー広告を出すなどのRealtime One-to-One Marketingは、ECサイトではすでに一般化されている。それを実店舗でもできないかと考えたのが、SAP Precision Retailing。今まで実店舗では、店頭にいる消費者個々人をレジ精算時まで識別する方法がなかったこと、レコメンドを届ける手段がなかったことから、実現は難しかった。SAP Precision Retailingがこの状況を一変させる」と説明した。