テクマトリックス、静的フロー解析の性能を向上したC++test/dotTEST新版


 テクマトリックス株式会社は18日、C/C++対応テストツールの新版「Parasoft C++test 9.4」日本語版、.NET対応テストツールの新版「Parasoft dotTEST 9.4」日本語版を発売した。同時リリースを記念して割引キャンペーンも実施する。

 C++test/dotTESTは、静的解析、単体テスト、実行時メモリエラー検出を行うテストツール。

 静的解析では、さまざまなカテゴリのコーディング規約を使用してソースコードの問題点を指摘するコーディング規約検証や、プログラムの処理フローを解析してプログラムに重大な障害を引き起こす問題点を検証するフロー解析機能を提供する。

 単体テストでは、テストに必要なテストケース、スタブ、テストドライバーのテストコードを生成してカバレッジ情報を計測しながら単体テストを実行できる。

 実行時メモリエラー検出では、テスト実行時にメモリ領域を監視して実行時エラーを自動検出し、詳細なエラー情報をレポートする。

 これらの検証機能を利用することで、ソースコードの品質向上と、テストにかかる工数を大幅に削減する。

C++test/dotTESTの強化点

 新版では、C++test/dotTESTに共通して、静的フロー解析機能の処理速度と解析精度の向上が図られた。静的フロー解析は、複数の関数やファイルにまたがるすべてのパスのフローを解析するため、コードの規模が大きくなると、どうしても完了するまでの時間が長くなるのだが、新版ではメモリ使用の改善やビルド・解析処理の並列化などにより可能な限りこれを改善。平均30%のパフォーマンス向上が図られた。

C++testの強化点

 C++test独自の強化としては、Windows 64ビットOSに対応。64ビットOS上ではC++testに割り当て可能なメモリ領域を大幅に確保できるため、大規模プロジェクトを解析する場合においても、より安定した解析が可能となる。

 また、ARM Developer Studio 5へのプラグインやGreen Hills Softwareコンパイラのサポートなどが追加され、クロス開発環境への対応が強化された。クロス環境での動的解析機能は、これまで特定のエディションでしか利用できなかったが、今回からすべてのエディションに標準搭載され得る。

C++testのメイン画面C++testのメトリクス解析結果画面

C++testの並行処理の設定画面、バグ探偵の実行結果などC++testのHTML 詳細レポート出力の画面


dotTESTの強化点

 一方、dotTEST独自の強化としては、サードパーティ製ツール「StyleCop」「FxCop」との統合が図られた。dotTESTからStyleCop/FxCopのルールを取捨選択可能になった。また、「Microsoft Unit Testing Framework」もサポート。Visual Studioの単体テスト機能で作成したテストケースをdotTESTから実行し、結果のレポートやカバレッジが確認できる。

 加えて「継続的品質アシスタント機能」を搭載。これは開発者によるコーディング作業時(変更を加えたファイルの保存など)を行うと、バックグラウンドで自動的に静的解析を実行するもの。そこで検出されたルール違反は、ファイルオープン・保存・コンパイル、それぞれのタイミングでレポートされる。

dotTESTのメイン画面dotTESTのテストコンフィギュレーションの比較ビュー画面


ライセンス体系の変更

 新版ではライセンス体系も変更された。C++test/dotTESTともに、従来「Professional Edition」「Architect Edition」「Server Edition」の3種類が提供されていたが、「Desktop Edition」と「Server Edition」にまとめられた。後者は全機能が使えるエディションで価格は59万8000円、前者は静的フロー解析、実行時メモリエラー検出、チーム運用機能を省いたエディションで価格は230万円となる。

 今回、初のC++test/dotTEST新版同時発売となる。それを記念して12月26日までの発注分に限り、割引キャンペーンを実施する。割引後の価格は「Desktop Edition」が49万8000円、「Server Edition」が198万円。

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