広島県廿日市市、全庁規模でオラクルのシンクライアント基盤を導入


 日本オラクル株式会社は9日、シンクライアント基盤「Oracle Sun Ray」システムが、広島県廿日市市の出先機関を含む全庁規模で、職員の利用する既存のPCに代わる端末として稼働開始したと発表した。

 Oracle Sun Rayは、シンクライアント端末「Sun Ray 3」と、Windows環境をサーバーに統合・リモートで管理する「Windows Server Remote Desktop Services」を連携させるサーバー基盤「Sun Ray Software」で構成される製品。

 廿日市市では、約1100人の職員の業務端末としてPCを利用していたが、その多くは長期利用により老朽化していた。そのため、HDDの故障などが頻発し、全庁の情報システム部門である総務部情報推進に持ち込まれるPC修理案件が年間約240件に達してたという。また、庁内PCのOSやソフトウェアのバージョンは新旧が織り混ざり、管理・保守コストが増大していた。これら復旧や管理・保守コストなどの費用は年間で約900万円相当に上り、老朽化したPCの起動に時間がかかるなど、生産性の低下も招いていたという。

 同市ではこうした情報端末管理の課題を改善する手段としてOracle Sun Rayを採用。オラクルのx86サーバー「Sun Fire X4170 M2」でシンクライアントのサーバー基盤を構築し、共有データの保存・複製によるバックアップ用途にユニファイドストレージ「Sun ZFS Storage 7320 Appliance」を導入した。

 これにより、端末の低い故障率、高いセキュリティ、省電力性、静音性を実現。OSやソフトウェアのバージョン統一により容易な管理も可能とし、かつ端末の高速起動やサーバーの高いパフォーマンスにより業務効率の向上に成功したという。

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